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MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
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本の紹介『恋愛ニセ科学 -恋の進化論-』
友人が本を出版した*1。その名も『恋愛ニセ科学 -恋の進化論-』(くま著、PHP研究所)。ここは堅苦しいブログなので、わざとらしく堅苦しい書評をしてみる。注釈に私の本音が出ているのは、秘密だ。


この薄紅色の本は、人間特有で文学的な感情および行動と目されやすい、「恋愛」という現象に対して、進化生物学、物理学、化学等々のフレームワークを当てはめることで、「恋愛」は自然現象なのだ、と我々に気付かせてくれる*2

ただしアノマリーを説明するためには、経済学的要因や精神分析学的要因など、純粋な自然科学ではない要因も考慮しなければならない。だが著者は、そこにこそ現代人のアイデンティティの一端があることも同時に喝破する。

豊富なケース・スタディに基づいた恋愛現象の分析と、独特の仮説を用いた論理展開は見事で、誰もが「もし自分が当事者であったなら、どのような判断を下すであろうか」と問題提起させられる。さらには自分が下したであろうその判断が、本当に自分の自由意志によるものなのか、あるいは大きな外的な構造・制約によるものなのかを検討・内省するための枠組みを与えてくれ、極めて秀逸だ。

また章によっては、論文初出時に読者と討論した際の議論が抜粋掲載されており、対話による思索の深耕がまた、読む物に新たな視点を与えてくれる*3

恋愛に身を委ねるだけが人間ではない。そこから何を学び、己を深めるのかが人間に許された特権であり価値であろう。この書はその学びに必要な気づきを、手に取った者に与えてくれる名著だと言える*4


…全然硬い本じゃないし、かなり面白いので、是非読んでみてください


*1 実は著者とは某SNSで知り合ったのだが、直接会ったことがない。いや、会っていたのかもしれないのだが、その時点で面識はなかったし、運命も感じなかった。感じていたら、今頃この本のネタになっていただろう。あぶないあぶない。
*2 こういう、くだらない(失礼!)ことを物理や化学の概念で分析するのは、私も大好きだ。大学院時代、実験の合間に某巨大掲示板で似たようなことをやっていたのはいい思い出
*3 ちなみに、私のコメントも一部載せて頂いていて、ありがたい限り。普通の本屋に売っている出版物に文章が載るのは15年ぶりだ
*4 気づきはそれだけでなく、「もしこの人と付き合って別れてしまったら、何書かれるんだろう」という直感も含まれる。いわば一昔前の「恋のから騒ぎ現象」が発生し、著者が今後出会う男性が一歩踏み出す際の抑止力になるのではないかと、いらぬ心配である

by flauto_sloan | 2008-09-30 11:15 | 交友
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