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MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
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Japan C-function - ダンスフロアとバルコニー
Japan C-function - ダンスフロアとバルコニー_c0131701_5444659.jpg今年もC-functionの先駆けとして、Japan C-functionが行われた。相変わらずの大盛況で、2700個の寿司はすぐに売り切れ、1000人は来たであろう会場は熱気に包まれていた。

一年生が主導権をとって日本の紹介をしながら観客を楽しませるパフォーマンス。昨年猛練習した「サラリーマン体操」を思い出す。あれからもう一年とは早いものだ。留学が後半戦になったと実感する。

オペレーション・スシ
今回は前半に食事担当となった。1000人に食事を振舞うとなると、オペレーションが難しい。先学期のオペレーション・マネージメントの授業を思い出す。

中でも大変なのが寿司。寿司は3貫ずつ紙皿に取分ける(一人で大量に取っていく人を防ぐため)

取分け→予備テーブル上に保管→配膳テーブルに補充→お客に渡す

というプロセスで、事前にどれだけ寿司皿のストックを作り保管しておけるかが重要だ。開場まで時間があまりないが、事前に900皿を作るのが当初の目標だった。

だがオペレーションの難しさに悩まされた。取分け作業に非常に時間と労力がかかり、ボトルネックになると見越していたので、奥様方を中心に人員を手厚く配置したのだが、作業に習熟してくるとどんどんペースが上がる。するとボトルネックが取分けから保管に移ってくる。特にテーブル上のスペースが足りなくなり、テーブルの調達待ちで作業が止まってしまった。借りられるテーブルを全て使っても足りなさそうなので、保管の仕方を工夫してできるだけ貯めておく。そこで目標を変更し、ラインを組み直して、お客に寿司を配りながら取分けられるようにした。

最終的には会場までに大部分の寿司皿を作ることができたのだが、改めて全体観を持ったオペレーション設計の難しさを痛感した。


バルコニーの上から
Japan C-function - ダンスフロアとバルコニー_c0131701_5482269.jpg後半は照明担当として、ホールのバルコニーに上り、スポットライトを操作した。今履修しているリーダーシップのクラスで、グループ・ダイナミックスを鳥瞰することを「バルコニーから眺める」と表現されているのだが、実際にバルコニーからパーティーを眺めてみると、色々と面白いことがわかる。

話し相手を探し続けている人、常に多くの人に囲まれている人、ショーを熱心に見ている人、全く無関心でひたすらおしゃべりしている人… 人間関係が瞬間瞬間で組み変わっていくダイナミズムが見えてくる。グループの中での潜在的・顕在的なコンフリクトや権威をめぐる争いも、こんなダイナミズムの中で生じているのだろう。

では自分が先ほど関わっていた、寿司の取分けをめぐるオペレーションやそれをめぐるやり取りは、このバルコニーから見ていたらどう写ったのだろうか。私はどんなリーダーシップを発揮し、なにを見逃していたのだろうか。問題は解決していたのだろうか、新たな問題を生み出していたのだろか。そもそも解くべき問題を正しく設定できていたのだろうか・・・


などなど、2回目の主催グループということで、少し余裕のある楽しみ方をした。第一義的な目的である「スローンの友人に日本を理解し、楽しんでもらう」は達成できた、いいJapan C-functionだったと思う。
by flauto_sloan | 2008-09-17 23:40 | MITでの学び(MBA)
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