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MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
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ワシントン紀行(2/3) - 芸術の府
DCは、NY程ではないにせよ美術館が充実している。現代美術を中心に非常に楽しめた。

ナショナル・ギャラリー
最初に入ったのは、ナショナルギャラリーの西館。ルネッサンス絵画と印象派を中心とし、イタリア、オランダ、フランス絵画をバランスよく高い質で展示をしていた。

ジョットやリッピ父子に始まるイタリア絵画は、ラファエロの美しく温かい聖母子と、米国唯一のダ・ヴィンチをクライマックスに位置づけた秀作・名作揃い。オランダ絵画は更に充実しており、中でも3点のフェルメールは観ているだけで至福。有名なレンブラント晩年の自画像は、逆にこちらが見据えられているような眼力で、思わず竦み上がった。流石にこの時代だと欧州の一流美術館と比べると見劣りするものの、空間を広々と活かした展示は見応えがあった。フランスの印象派も幅広く揃い、特にモネの「日傘の女」は構図も色使いも美しく、思わず見とれてしまう。

だが、より面白いのは現代美術を中心とした東館だった。

ワシントン紀行(2/3) - 芸術の府_c0131701_12521393.jpg東館は、美術館の中央に大きな空間を取り、そこにカルダーの巨大なオブジェなどが展示され、大きなスケール感を生み出している。他にもカルダーの諸作品、ウォーホールやリヒテンシュタインなどのアメリカ現代美術の巨匠の作品、さらにはロスコ、ミロ、ポロック、モンドリアン、ジャコメッティ…溜息が出るほどに充実し、次々と表れる色彩と造形が楽しい。妻が現代美術を好きなのもあり、二人でゆっくりと堪能した。
圧巻はマティスの切紙。この為に別塔を建てた程で、溢れる色彩に心奪われた。

モール内にあるハーシュホーン美術館でも、現代美術が多く展示されており、のんびりと鑑賞できた。あいにく2階が改装中で、半分くらいしか作品を見られなかったが、充分に楽しめる。
屋外の彫刻もロダンを始め力強い作品からシンプルで工夫されたマティスの作品などバランスが取れていて素晴らしい。

博物館
ワシントン紀行(2/3) - 芸術の府_c0131701_12493450.jpg美術館以外では、体力の残りを振り絞って訪れた歴史博物館の巨大ダイヤや、航空博物館がなかなかに面白かった。

変わり処は国際スパイ博物館。最初に「オペレーション・スパイ」という参加型のアトラクションを行った。実際のスパイ任務をベースとして、チームで諜報活動をし、謎を解いていく。チームの成績や判断によって結末も変わるという。訛の強い早口の英語で指示されたため、時折状況を把握できないこともあったが、なかなかに面白い体験だった。

展示は実際に使用されていたスパイ道具や技術説明が並べられている。漫画『MASTERキートン』で見た道具(傘型圧縮毒ガス銃など)の実物があり、驚くと共に戦争・冷戦時代の残酷さも感じる。ちなみに日本の忍者(伊賀の百地三太夫)も紹介されていた。

時間がもっとあったら、フィリップス・コレクションに行ったり、それぞれの美術館でもっとゆったり時間を取ったのだろうが、それでも充分DCの美術を楽しむことができた。
by flauto_sloan | 2008-05-26 22:17 | 旅行
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