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MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
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Japan Trek (7/10)…ハレとケ
今日は企業訪問があり、グローバル化する経済の中での日本企業の立ち位置とその価値を見直した。そして続く屋形船では日本の文化と歴史、特にハレとケに想いを馳せた。

企業訪問 - 日本経済と金融
今回はトヨタの他に7社から最終的に企業訪問の許可を頂いた。人数が多いので、3つのグループに分かれてそれぞれ2-3社を回った。いずれも素晴らしい企業で、参加者の関心も満足度も高かったが、特に個人的に感銘を受けたのは、2箇所目だった新生銀行だ。

Japan Trek (7/10)…ハレとケ_c0131701_15452625.jpg残念ながら新生銀行はアメリカで無名なので、来日前の学生の期待値は概して高くなかった。ただ今回唯一の金融機関だったため、ファイナンス出身/志望の学生が多く参加した。そんな彼らだけではなく、皆非常に賞賛するプレゼンテーションだった。

チーフ・ラーニング・オフィサーの方がプレゼンをしたのだが、この方は日本に軍人として駐留したこともある日本通であり、日本の文化、経済、政治についても深い理解がある。そしてそれを米国と相対化して紹介することができる。

そのため、そもそも日本経済は戦後どう推移してきて、現在どのような状況か、その理由は何であり、今後どうなっていくのかを分かりやすく説明していた。その上で、新生銀行はどういう役割を担うのか、将来どうしていくのかのビジョンについて語っていた。

「日本の金融資産は、実は世界第二位の規模である。皆中国、中国、と中国ばかりに注目しているが、スケールで言ったらまだまだ小さい。むしろ日本にこそ大きなポテンシャルが今あるのであり、我々は日本でさらに存在感を増すことに意欲を持っている」
と言うコメントとグラフとは、中でも参加者にとってカウンターインテュイティブ(常識・直感を覆す)であり、衝撃を受けているのが感じ取れた。日本はまだまだ捨てたものじゃない。

マイクを使わない、エネルギーに溢れた雄弁なプレゼンテーションと質疑応答が終わると、参加者は盛大な拍手。皆の日本経済に対する見方が大きく変わったのが分かる。まだまだ大きな様々な問題を抱え、世界の中でも例外的な位置に居続けている日本経済ではあるが、その「違い」と「可能性」を理解してもらえたのは非常に嬉しかった。

その他の企業も素晴らしいプレゼンテーションや案内であり、非常に意義深い企業訪問だった。

屋形船
Japan Trek (7/10)…ハレとケ_c0131701_15461330.jpg夜は東京湾で屋形船。酒好き50人が参加し、一隻貸切、飲み放題。海上隔離とも言う。

豪快に飲んだ。Beer boatという一気レースのようなものをしたり、船の二階で夜風にあたったり、カラオケをしたり… お台場の夜景を見る頃は、まだ外の景色に注意がいっていたものの、隅田川の桜に着いた頃はもう花より団子、いや酒という有様。まあ夜桜の好さはわかり難いので仕方がないか。

大騒ぎ、飲み比べ、乾杯と、学部生時代を思い出すような激しく楽しい飲みだった。あの頃と異なるのは代謝量らしく、下船時にはすっかり酔っ払ってしまっていた(元来酒は強くない)。已む無く今日もホテルへそのまま帰り、一瞬で眠りに就いた…


普段Tシャツ姿の学生が、日中はスーツ姿、夜は古式ゆかしい屋形船、といわば非日常。そもそもこの旅自体が非日常ではあるが、その中でもハレの度合いの強い一日だった。ケに戻らねばならないのが少し寂しくなってくる。
by flauto_sloan | 2008-03-27 23:00 | Japan/Israel Trek
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