MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
Sidney-Pacific 入寮
c0131701_23225278.jpg昨夜、ボストンに到着し、MITの寮であるSidney-Pacificへ入寮しました。
寮とはいえ2002年に建っただけあって、建物はガラスを多用した美しいもので、設備も充実しています。

私は独身ではないのですが、故あって独り暮らしをするため、Studioというタイプの独り部屋(家具、バス、トイレ、キッチン付き)を借りています。
家具付きなのですぐにこのきれいな部屋で生活を始められ、とても快適です。
ちょうど向かいの部屋に住んでいるインド人夫婦とも会え、スーパーの場所などアドバイスをもらいました。


ボストン(米国)での生活立ち上げにあたり、3つのものが必要だと思いました。
車、忍耐、毛布です。


1. 車(せめて車輪)
たとえ交通網(バス、地下鉄)が発達したボストンといえども、やはり車がないと生活はなかなか不便そうです。
生活必需品を揃えるため、ちょうど入れ違いにボストンを発つ先輩の家へ行き、台所用品など(マッサージ器、はてはマツケンサンバのCDまで)をもらい、次に近所の大型薬局で当座の必要品を買ってきました。
独りで徒歩だったので、後ろから見た人はきっと荷物が塊になって動いていると思ったことでしょう。正直言ってしんどかったです。
家電や家具は、寮のムービング・セール(退寮者が不要なものを安く売り払う)であらかた手に入りそうですが、それでも手に入らないものは少々離れたショッピングモールや大型店に買いに行かなければならず、車のありがたみを感じました。
とはいえ、ボストンの駐車場事情は悪いので、持つなら持つで苦労しそうです。

至近距離でも、カートなど車輪がついているだけで全然違います。交通の麻痺した戦時下の国では車輪が重宝されるそうですが、よくわかる気がします。


2. 忍耐
ボストンに来る前は、1ヶ月ほどNYでサマースクールに行っていました。
その間に、携帯電話の契約、学校の事務手続き、銀行口座の開設などを行ったのですが……
1日に1つのことしかできませんでした

移動に時間がかかるのもあるのですが、とにかく、なにかと手続きに時間がかかります。
アメリカ人はよくもこんなに待たされて平気だなあと感心するくらいに待ち、やっと自分の番が来たら担当の人やお店の人がなかなか要領を得ない。こちらの英語のせいもあるかもしれないけれども、それでも時間がかかりました。

加えて、特に大学の事務は一人ひとりに担当が細分化され、しかもキャンパス中にオフィスがちらばっているので、みごとな盥回しに遭います。

実際にあった一コマ(口座開設に必要なレターを発行してもらったとき)
A 「それは私の担当じゃないから、Bさんに聞いて」
B 「ああ、その件ならXX(歩いて10分くらいの距離にある建物)にあるオフィスに行って聞いてきて」
C 「Dさんじゃないとそれはわからないんだけど・・・ 今席を外してるわね。いつ帰るかわからないわ」
結局、Dさんのオフィスの前で1時間半張り込み、ようやくつかまえてレターを書いてもらいました。


3. 毛布

色々と生活用品を買ったのですが、毛布を買わなかったのは大誤算でした。
この寮は建物全体にエアコンが行き渡っているため、廊下も涼しく快適です。ただあまりに涼しいため、部屋のエアコンを切っても、かなり涼しい、いや寒いのです。 バスタオル2枚をかぶって、小さくかがみこみながら震えて眠りました。もちろん安眠とは程遠く。
建物の中も概して寒いので、羽織れるものは(特に女性は)必要でしょう。

冬場にTシャツを着るほどのアメリカ人のエアコン過稼動はよく知られているのですが、うっかりしていました…
意外な盲点。


と、苦労もしながらですが、楽しみながら寮生活の立ち上げをしています。
[PR]
# by flauto_Sloan | 2007-08-05 10:36 | ボストンでの生活
序・MIT Sloan 遊学記を書くにあたり
学問には四焉(修焉、蔵焉、息焉、遊焉)の境地があるといいます*1
焉(これ)を修め、蔵し、息(いき)し、そして遊す。

学問の世界*2から実学の世界へと飛び込んで5年。
経営コンサルティング*3という、とても一筋縄ではいかない仕事に苦闘しつつ、世の中の動きを、人の営みを、智慧の偉大さを学んだ、怒涛のような日々でした。


学舎での「学問」と、ビジネスで得る「学び」。
この間には大きな隔たりがあると思われていますが、本当にそうでしょうか。

高度に複雑化した現在のビジネスは、学問での抽象化、体系化のスピードを凌駕しているのでしょうか。
MBAで身に着けたものがそうそう通用するほど、世間は甘くはないのでしょうか。

そしてこの問いは、奇しくもMITのmottoである
"Mens et Manus" (Mind and Hand)
と呼応しています。
頭脳から溢れる智慧だけではなく、手から紡ぎ出される社会への貢献も共に重要である、とするこの基本思想を掲げるMIT。

学問から実学、そして再びこのMITにて学問に浸る(そしてまた実学へ戻る)ことで、自分なりの解が出せるのではないかと思いました。
その過程では、この5年間で修めてきた学びを、
自分の中で体系立てて再構築し(蔵し)、
己の血肉となって、息をするかのように乱れずに発し(息し)、
果てはスコラの自然な流れに逆らわないままに、ゆったりと遊ぶ(遊す)境地にまで引き上げたいと思っています。


大それた望みであり、さてどこまで辿り着けるかもわかりませんが、
蔵し息する介けとして、このブログを始めたいと思っています。
そして遊すことを目指す意味も籠めて、ブログの名前は「留学記」ではなく「遊学記」にしました。

そのように自分のために立てたブログではありますが、
MIT、特にSloanに興味をお持ちの方々、MBAに興味をお持ちの方々、または米国、特にボストンでの生活に興味をお持ちの方々にとって、何らかの役に立つことができれば幸いです。


*1 『安岡正篤 一日一言』 安岡正泰監修、致知出版社 4月24日の言。もとは『礼記』の「学記」の中の、「君子の学に於けるや、焉を修め焉を蔵し焉を息し焉に遊ぶ」
*2 学部では工学部で化学を専攻し、大学院では固体物理(超伝導)の研究室に在籍しました
*3 所謂外資系経営コンサルティングであり、国内外の大手ハイテク製造業を中心に製品戦略立案、技術マーケティング戦略立案、業務効率改善などを行ってきました
[PR]
# by flauto_Sloan | 2007-08-04 12:45 | 序文(初めての方へ)