MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
<   2008年 03月 ( 24 )   > この月の画像一覧
Japan Trek (10/10)…遠きにありて思うもの
10日間にわたるJapan Trekも終わり、ボストンへと帰る。出立前は日本に戻る実感が湧かなかったが、今度はボストンへ帰る実感が湧かない。そして、「帰る」先をボストンと捉えることで、改めて故郷としての日本を覚える。

c0131701_18515321.jpgふるさとは遠きにありて思うもの、とは父祖の地金沢の文豪、犀星の手だが、ボストンから離れて観ると、日本がだんだんと客観的に見えてくる。善悪好悪から離れて、何が素晴らしく何が欠けているのか。何が本質で何が虚飾か。自分の価値観が相対化されてくるのが面白い。

そんな過程で臨んだこのJapan Trekは、相対化しかけている日本を、一旦主体化し直した上で、他国の友人との対話を通じて再相対化する旅だった。(まあ飲みが多かった気もしないではないが)

特に身近なレベルで強く感じたのは、日本人の教育水準の高さ、道徳心・公共心の高さ、そしてサービス・もてなしの質、そして製造業の誇りと実力であった。

これらは渡米時に日本とのギャップに驚き、ショックを受けたが、米国並みの期待値を持った上で日本再訪すると、改めてその水準の高さに感銘を受けた。

どんな人でも仕事に誇りを持ち、改善を心がけ、考え、間違いを恥とする。
公共の場を美しく保ち、整理整頓し、見苦しい飲食や行動をしない。
相手を思いやり、堅確で行き届いたサービスを行う。
そして製造業の生産性や思想の深さは比肩ない。

これらの美徳は相対化すると素晴らしい水準なのだが、日本人として過去からの文脈で見ると、年々劣化しているし、将来もそうそう回復するようには思えない。
製造業は高いレベルを維持しているものの、サービス業では品質への期待値が上がりすぎてしまっているため、とかくサービスが高コスト、低生産性となってしまっている。

だが階層社会、資本主義のアメリカの様に、誰もがサービスの品質に期待しない、もしくは高いお金を払わないと相応のサービスを得られない、という社会が良いとは思わない。このアメリカの分かり易さは、多民族国家で民主主義を行う上では非常に有効だろう。だが日本は異なる背景・前提を持つため、違う姿があってよいだろう。

いつまでも内向きの議論ばかりしていないで、世界の中で相対的な日本の位置付けを冷静に把握し、それに則った日本のあり方を考えないと、JAPAiNなどと言われてしまう。

そんな、日本の良さ、美しさと、危機感を再認識する10日間であった。


また、220人の大半が友人となり、皆に名前と顔を覚えてもらった。それが今回築いた一番の財産だろう。皆に感謝され、信頼を得る。苦労はしたが素晴らしい経験だった。
[PR]
by flauto_sloan | 2008-03-30 23:21 | Japan/Israel Trek
Japan Trek (9/10)…Last night
いよいよ最後の夜。長いようで短い旅もクライマックスだ。

花見
c0131701_1861487.jpgちょうど東京の桜が満開。最高のタイミングだ。友人と新宿御苑へ花見に出た。満開が週末と重なったため、人出が激しい。
桜は美しく、大いに楽しんだのだが、人に疲れもしてしまった… だが、この人ごみも、力いっぱいに咲く桜も、どちらも日本ならでは。数日しか咲かない桜にこれだけ思い入れがある、その美意識と祭り好きは、改めて外からの視点で見ると新鮮なものがあった。

その後所用や買い物を済ませ、いよいよフェアウェルパーティーへ。

フェアウェル・パーティー
c0131701_18174165.jpgついにフィナーレである。同時期に韓国・中国・日本と回っていたLFM(Leaders For Manufacturing; MBAとM.Engのデュアル・ディグリーのコース)の人たちとも合流し、約260人の大宴会だ。

色々な人と乾杯をし、語り、感謝し、友情を確認する。

やがてオーガナイザーが中央に集まった。
「お前ら最高だ! ありがとう!!」
というリーダーの魂の叫びに、参加者全員から盛大な拍手。

参加者の一人がマイクを取り
「こんなわがままな200人をまとめ、食事制限*に応じ、そして質の高いトレックを実現してくれたオーガナイザー、本当にありがとう!!」
と言ってくれた。
本当に嬉しい。オーガナイザー冥利に尽きる。

夜を惜しむように、次々と酒を酌み交わし、国籍も背景も言語も超えて、終わりつつあるジャパン・トレックを楽しみ尽くした。


* 食事制限には本当に苦労した。ベジタリアン対応は日本では難しく、事前の再三の調整にも拘らず、最後までトラブルは付きまとった
[PR]
by flauto_sloan | 2008-03-29 23:01 | Japan/Israel Trek
Japan Trek (8/10)…東京を外から臨む
今日は東京ツアーがあり、私はリーダーとして110人余りを引率した。

築地市場
c0131701_1784714.jpg早朝5時過ぎから、バスで築地市場へ移動。築地市場は4月から観光が制限されるとのことであり、何とかぎりぎり鮪の競りを見学することができた。
築地では美味しい寿司が食べられる、とあって朝早くにもかかわらず大人気。中にはクラブで徹夜して築地へ行く剛の者も。

c0131701_1791167.jpg一通り見学した後で食べた寿司は、流石に美味。ラテン系の友人何人かと食したのだが、彼らも大喜びで、勢いに乗って朝からビールを飲んだり、トロを追加したり。流石に会計の時に少し驚いていたが…

その友人たちも、他の友人たちも、皆
「本物の寿司を知ったよ。格段に美味しい…」
「何て非道いツアーだ。もうボストンで寿司が食べられなくなったじゃないか」
と、寿司を堪能したようで何より。

東京ツアー
寿司から帰ると、すぐに東京観光ツアーが始まった。なかなかの強行軍だ。
まずは東京のシンボル、東京タワーへ。

c0131701_17282174.jpg働いていた頃、地方のプロジェクトから週末に東京に帰ってきたとき、東京タワーを見ると
「ああ、東京に帰ってきた」
と思ったものだ。夜空に映える東京タワーも美しい。

だが、登るのは小学生以来だと思う。東京に住んでいると(大半は横浜だが)、観光名所にはなかなか行かないものだ。

そんな東京タワーを上る。眼下の増上寺の桜が美しい。そんな桜を見て、SFM(Sloan Fellows; 管理職向けMBA)のインド人の友人が、桜について色々と尋ねてきた。

ソメイヨシノは品種改良の結果できた桜で、花だけ咲いて実は付かず、花が散ると追って葉が出る。全てクローンで遺伝子的に同一であるため、深刻な病気が発生したら全滅するリスクもある。だがその美しさと儚さに魅了された日本人は、全国にソメイヨシノを広めた、云々告げると、「遺伝的に同一」のところに異常に関心を示してきた。そこは流石にMIT。どちらかというと日本人の美意識を知って欲しかったのだが。

c0131701_17355740.jpg続いては月島で昼食のもんじゃ焼き
関西人すら嫌がるもんじゃ焼きを、果たして欧米人が食べるのか不安であったが、いざ目の前の鉄板にもんじゃが広がると、皆面白そうに食べていた。

スペイン人夫婦と一緒に食べていると、
「日本人はよくこれを食べるのか」と聞いてきた。
「いや、東京人は食べるが、日本の中ではかなりローカルな食べ物だ」と答えると、
「そうか。スペインのパエリアみたいなもんだな。観光客はスペインならどこにでもパエリアがあると思っているが、あれはバレンシアでしか食べない」と。

面白い。その国の代表的なものだと思っても、実際どの程度普遍的な文化であるかはよく注意して理解しないと、あらぬ誤解を生むものだ。

そしてメインイベント、皇居参内
c0131701_17415759.jpg流石に警備が厳しく、入城するまでのチェックに相当時間がかかった。四列に並ぶよう指示しても、だらだらと喋り続けて埒が明かない。ついにオーガナイザーのK君が溜まりかねて「並べ!!!」と大声で厳しく叫ぶと、ようやく群れが大人しく並んだ。

城内は木々が美しかったが、残念ながら案内は日本語のみ。必死で通訳したものの、説明できたのは110人中30人程か。良さや面白さが十分伝えられなかったのが残念。

c0131701_1750574.jpg最後は浅草で浅草寺と仲見世を歩く。
大分参加者に疲れが見え、またほぼ自由解散状態となり、めいめいがそれぞれのペースで観光していた。

集合時間直前、仲見世にいる参加者をバスまで誘導した。またもラテン系を誘導したのだが、帰り道の分岐でどちらにいくか若干悩んでしまったところ、歩き始めると
「ふらうと(私)こっぺりーの♪、ふらうとこっぺりーの♪」
みたいな歌が後ろのラテン系から聞こえてくる。
どういう意味だか聞いてみると
「迷ったー、迷ったー、って囃し立てたんだよ」と。
全く、彼らといると人生の楽しみ方を教わるようだ。

こうして、東京ツアーが無事終了した。

アラムナイ・パーティー
c0131701_180762.jpg夜は六本木ヒルズクラブにて、スローンのアラムナイ(卒業生)パーティーがあった。皆ドレスアップしてきており、旅行中ジーンズにスニーカー姿だった女性が美しく着飾ってくると、思わず眼を奪われた。

一方で残念ながら日本人の卒業生の出席が非常に少なかった。スローンの日本人同窓会の強化は以前から必要性を感じ、今回も集まりの悪さにやきもきしていたが、改めて梃入れが必須だと感じた。今回のトレックで明らかになった、日本人コミュニティの課題の一つである。

そのため主にクラスメート達と話していたのだが、流石に東京ツアー引率の疲れが溜まり、途中からパーティー会場の隣の部屋で倒れこんでしまっていた。無念…

そして疲労困憊のまま、実家に帰った。明日の最終日に半日休みをもらっているので、今夜は実家で泊まることにしていた。

いよいよ終盤。参加者もオーガナイザーも疲労がピークだが、あと一踏張り。
[PR]
by flauto_sloan | 2008-03-28 23:59 | Japan/Israel Trek
Japan Trek (7/10)…ハレとケ
今日は企業訪問があり、グローバル化する経済の中での日本企業の立ち位置とその価値を見直した。そして続く屋形船では日本の文化と歴史、特にハレとケに想いを馳せた。

企業訪問 - 日本経済と金融
今回はトヨタの他に7社から最終的に企業訪問の許可を頂いた。人数が多いので、3つのグループに分かれてそれぞれ2-3社を回った。いずれも素晴らしい企業で、参加者の関心も満足度も高かったが、特に個人的に感銘を受けたのは、2箇所目だった新生銀行だ。

c0131701_15452625.jpg残念ながら新生銀行はアメリカで無名なので、来日前の学生の期待値は概して高くなかった。ただ今回唯一の金融機関だったため、ファイナンス出身/志望の学生が多く参加した。そんな彼らだけではなく、皆非常に賞賛するプレゼンテーションだった。

チーフ・ラーニング・オフィサーの方がプレゼンをしたのだが、この方は日本に軍人として駐留したこともある日本通であり、日本の文化、経済、政治についても深い理解がある。そしてそれを米国と相対化して紹介することができる。

そのため、そもそも日本経済は戦後どう推移してきて、現在どのような状況か、その理由は何であり、今後どうなっていくのかを分かりやすく説明していた。その上で、新生銀行はどういう役割を担うのか、将来どうしていくのかのビジョンについて語っていた。

「日本の金融資産は、実は世界第二位の規模である。皆中国、中国、と中国ばかりに注目しているが、スケールで言ったらまだまだ小さい。むしろ日本にこそ大きなポテンシャルが今あるのであり、我々は日本でさらに存在感を増すことに意欲を持っている」
と言うコメントとグラフとは、中でも参加者にとってカウンターインテュイティブ(常識・直感を覆す)であり、衝撃を受けているのが感じ取れた。日本はまだまだ捨てたものじゃない。

マイクを使わない、エネルギーに溢れた雄弁なプレゼンテーションと質疑応答が終わると、参加者は盛大な拍手。皆の日本経済に対する見方が大きく変わったのが分かる。まだまだ大きな様々な問題を抱え、世界の中でも例外的な位置に居続けている日本経済ではあるが、その「違い」と「可能性」を理解してもらえたのは非常に嬉しかった。

その他の企業も素晴らしいプレゼンテーションや案内であり、非常に意義深い企業訪問だった。

屋形船
c0131701_15461330.jpg夜は東京湾で屋形船。酒好き50人が参加し、一隻貸切、飲み放題。海上隔離とも言う。

豪快に飲んだ。Beer boatという一気レースのようなものをしたり、船の二階で夜風にあたったり、カラオケをしたり… お台場の夜景を見る頃は、まだ外の景色に注意がいっていたものの、隅田川の桜に着いた頃はもう花より団子、いや酒という有様。まあ夜桜の好さはわかり難いので仕方がないか。

大騒ぎ、飲み比べ、乾杯と、学部生時代を思い出すような激しく楽しい飲みだった。あの頃と異なるのは代謝量らしく、下船時にはすっかり酔っ払ってしまっていた(元来酒は強くない)。已む無く今日もホテルへそのまま帰り、一瞬で眠りに就いた…


普段Tシャツ姿の学生が、日中はスーツ姿、夜は古式ゆかしい屋形船、といわば非日常。そもそもこの旅自体が非日常ではあるが、その中でもハレの度合いの強い一日だった。ケに戻らねばならないのが少し寂しくなってくる。
[PR]
by flauto_sloan | 2008-03-27 23:00 | Japan/Israel Trek
Japan Trek (6/10)…Let's go Red Sox!!
ボストンと東京が、われわれJapan Trekで繋がった。

富士山
c0131701_0462268.jpg箱根を発つと、霊峰富士へ向かった。Mt.Fuji の知名度は抜群。皆楽しみにしている。
私のバスには添乗員がいて、道中様々な解説をしてくれた。スマイリーという渾名のこの老人はかなりのベテランで、英語も上手いし、欧米人の笑いのツボも押さえている。そして何より、説明が上手い。

各地の説明もさることながら、途中で行った「日本語基礎講座」では、象形文字たる漢字の成り立ちを利用して、簡単な日本語が読めるように上手く説明していた。特に熱心に聴いていたベネズエラ人Jorgeの奥さん(学校の先生)は、バスを降りる頃には「川」「山」「出口」などと読めるようになっていたから驚きだ。

そうして飽きることなく河口湖まで進み、ほうとうを食べた。何故かほうとうをつつきながら、日本人の宗教観の話になる。

日本人固有のアニミズム、神道、仏教、神仏習合などの説明は、同じアニミズムの背景を持つインド人には理解されやすいが、欧米人にはどこまで伝わっているのかがよくわからない。自分のことを比較的敬虔な仏教徒だと言いながら、教会で結婚式を挙げたと言った日には、相手が混乱しているのがありありと窺えた。まあそれらもひっくるめて、日本人を知ってもらったと謂うことか。

そして山岳信仰の頂点たる富士山へ。ちょうど雲も払え、絶景だった。間近に見る富士はやはり神々しい。冠雪しているのがまた美しかった。

Red Sox開幕戦
c0131701_0382811.jpg東京に戻ると、参加者の約半数、100人を引き連れてレッドソックスの開幕戦(第二戦)へ。あいにく松坂は前日に登板したため、レスターが先発だった。

会場に入った100人は、恐らくボストンから来たグループでは最大規模。球場の一角を占め、プラカードを掲げて声援を送る。
"Let's go Red Sox!!"
"Yuuuuuuuuuuuuu!!"
フェンウェイと同じ応援をしていると、ボストンから来ている人や、レッドソックスファンの日本人が次々と集まってきた。

c0131701_0385590.jpg3回の攻守交替中、応援しているスローン生の姿がオーロラビジョンに映し出された。くっきりと浮かぶ
"MIT Sloan Loves Red Sox"
の文字。アメリカにも間違いなく放映されただろう。
当然、スローン生は大はしゃぎ。隣にいたMicheleは
「旦那がこの試合中継を見ている筈だから、きっと今のには気づいたわ」
と嬉しそう。東京とボストンとが繋がった瞬間だった。

ボストン地域紙最大手のThe Boston Globeのサイトでも我々の雄姿(?)が紹介された。

結果は残念ながら完全に負け試合。ラミレスの1号ソロホームランで一時盛り上がるも、あとはアスレチックスに抑えこまれてしまった。とはいえ、ウェーブを生み出すなど応援は最後まで楽しみ続けた。

ボストニアンの底力を東京で遺憾なく発揮した一夜だった。
[PR]
by flauto_sloan | 2008-03-26 00:10 | Japan/Israel Trek
Japan Trek (5/10)…湯と酒
箱根とは温泉である。しかし温泉とは何であるか。温泉とは宴会である。

新幹線
京都から箱根へ向けて、新幹線に乗った。スローン生たちも
"Bullet Train (弾丸列車)!!"
と楽しみにしている。が、ここは日本。列車は時刻に正確で、駅には1分半しか停車しない。その間にこの200人が全員乗れるであろうか。

京都駅には電車の1時間程前に到着。駅の中でお弁当を買って待ってもらうのだが、それに1時間もかかるのかと疑問が湧いた。しかし不思議なことに、1時間かかってしまう… ベジタリアン弁当を探し、外のマクドナルドへ連れて行き、お土産の相談に乗っていると、あっという間に1時間。方やもう盛り上がっている人たちもいて、京都駅のコンコースは大賑わい。

c0131701_16455120.jpgそして運命の乗車時間。いざ新幹線が来ると、皆、
「早く乗れ、奥へ詰めろ、電車が出るぞ!!」
と急かす。特に頑張ったのが右の牛さんだった。
「牛の言うことを聞いてやれ」
と、皆素直に従った。有難う、牛さん(人間名Dennis)。

やがて貸切の2車両は宴会状態。オーガナイザーはミーティング。彼我の差は仕方なし。

箱根の温泉
そして小田原から箱根へ。天下の名城小田原城を脇に見て、登山鉄道を右手に山を登る。険しい山道を抜けて、山深くのホテルへ到着。

参加者は温泉に大喜び。露天風呂で旅の疲れを癒す時の、だらんとした締りのない顔は万国共通。違うのはお湯に浸かっていられる時間か。

好奇心旺盛なクラスメート達は、何故日本に温泉が多いのか、何故日本人は温泉が好きなのか、どんな時に温泉に来るのか、等々、次々と質問を浴びせてくる。そして一通り納得して洩らすのは、
「温泉って素晴らしい… 是非ともまた来たい*

裸は抵抗があるかと思ったが、そうでもないらしい。郷に入れば郷に従えか。日本では裸の付き合いと云う、と告げると、じゃあすっかり仲間だな、と返る。これぞ温泉。

以前プロジェクトチーム(ドイツ人、デンマーク人、ロシア人、日本人多数の混成チーム)で温泉旅行をしたことがあった。やはり皆温泉好きであり、裸の付き合いを経ると、不思議とチームの風通しが非常によくなる。温泉の効能に「チームビルディング」と書いても好いのではないか、とすら思う。

宴会
c0131701_1711993.jpg温泉から上がると、宴会が待つ。大宴会場に並んだ膳は壮観だった。
風呂上りに浴衣を着るよう言っていたのだが、説明不足で皆ジーンズの上にローブのように羽織っている… それは浴衣ではない**


c0131701_17165100.jpg宴会が始まり、伝言ゲームや、我等がリーダーの熱唱、カラオケ・・・と続くと、ラテン系を中心に大暴走。何が何だかもう分からなくなる程の大騒ぎだった。彼らのパワーというかエネルギーは底知れない。そんな彼らに
「これまでで最高のパーティーだった!!」
「エンカイって素晴らしい!! お前ら最高だよ!!」
と言われると、やってよかった、あとは迷惑かけずに騒げよ、という気持ちになるもの(実際はいささか騒ぎすぎて迷惑もかけていたが)

皆とても喜んでいて、楽しい大宴会となった。トレックの目的(少なくとも私にとっての目的)は日本をよく知ってもらい、将来のリーダー達が日本と正対できるようにすることであり、ただ楽しければよいというものではない。だが、楽しくなければいい旅にならないのも事実。そういう点で、正にトレックの中盤の締めに相応しい温泉での宴会だった。

*「朝寝、朝酒、朝風呂が日本人の三大贅沢だ」と教えると、その友人は翌朝ちゃんと風呂にいた。ううむ、身上潰さないように
** 浴衣から覗く温泉上りの上気した肌に、密かな色っぽさを感じてみたい気もしたが、残念。それでもまあ雰囲気は出た

[PR]
by flauto_sloan | 2008-03-25 23:25 | Japan/Israel Trek
Japan Trek (4/10)…よい品よい考
今日はMBAの日本訪問では王道の、トヨタ訪問を行った。今回のトレックでは最終的に8社から訪問の許可を頂いた。その中でトヨタは、場所柄もあって1日かけての訪問であり、参加者の大多数が出席する企業訪問となった。

山林国日本
200名弱がバスに分乗し、京都から豊田市へ向かう。途中の甲賀と伊賀の深い山が美しい。国土の3分の2が山林である日本を体感してもらえた。

トヨタ訪問
そうして到着したトヨタでは、メインの堤工場見学をし、後に取締役の方との質疑応答を行った。丁度オペレーション入門のクラスで、トヨタ生産方式のケースを北米トヨタの方が行ったばかり。皆ケースで学んだことを目の当たりにし、感嘆しながら見学していた。

正に百聞は一見に如かず。アンドンが引かれて実際に頻繁にラインが止まることと、在庫を2時間分しかもっていないことへの驚きようは凄まじかった。私も実は初めての訪問だったが、様々な色や車種がラインに並び、ジャスト・イン・タイムで部品が届くオペレーションは圧巻だった。そして工程で作りこまれる品質。一方で、溶接工場では自動化が高度なレベルで行われている。

何があるべき姿かをはっきりと描いている、トヨタの精神が具現化している工場だった。そんな工場に掲げられる「よい品よい考」の標語が印象的だった。

おばんざい
c0131701_15202436.jpgトヨタから帰ると、友人何人かを連れて、おばんざいのお店へ行った。ここも京都プロジェクト時代に上司から教えてもらったお店だ。以前訪れた時には、某有名女優が隣にいたこともある。

おばんざいの良さよ食材は人を選びそうだったので、アジア系の友人を中心に連れて行った。一人白人も連れて行ったのだが、最初の蛍烏賊で既に少し引いていた…

味は素朴でありながら手が込んでいて、極めて美味。こういう和食を食べたかった。店内も暖かい色合いで落ち着く。カウンターのみ9席の小さいお店だが、皆ですっかり寛いでしまった。

隣に座った香港人のRex夫妻は、非常に大満足。器の美しさ、味の細やかさ、女将の心遣いまで全て理解してくれたようだ。また京都に来ることがあれば是非来たいと、女将の名刺を貰っていた。

彼らは2年生なのだが、学生生活もあと僅か。どことなく寂しささえ感じる。そんな彼が卒業前最後の休みに選んでくれたのがこのJapan Trek。期待を裏切らないように頑張らねば。

かくして、京都最後の夜は、懐かしい味に浸り、友人と美い酒を交わして過ごすことができた。
[PR]
by flauto_sloan | 2008-03-24 23:53 | Japan/Israel Trek
Japan Trek (3/10)…白鷺と牛
今日は京都から足を伸ばして、姫路城と神戸を訪れた。急拵えのガイドだったが、皆に喜んでもらうことができ、楽しい小旅行となった。そして神戸牛(但馬牛)と近江牛の贅沢な食べ比べを楽しんだ。

未踏の地を引率す
ウェルカム・パーティーの夜、翌日の小旅行(オプショナル・ツアー)とその担当が発表された。私はY君と姫路城と神戸の旅担当。Y君は姫路で働いたことがあるので土地勘があろうが、私はどちらも未踏の地。驚くと共に、まっとうなガイドをせねばと、早起きしてホテルのパソコンで情報収集した。なんとか姫路城の歴史や特徴を英語で説明できるようにし、昼食の検討をつけて準備を整える。

オプショナル・ツアーは、公式行事へ参加していない人から参加者を募り行う。今日は公式イベントとして広島ツアーがあり、多くはそちらへ参加した。だが残りの参加者の中では、姫路城が一番人気だった。流石は世界文化遺産。

広島
広島ツアーは感動的だったらしい。被爆者で英語を話せる方が、滔々とその日のことを語り、平和への思いを語ると、国籍を問わず参加者は感動し、涙を流す人も多かったと言う。
私は参加しなかったのだが、アメリカ人を含む参加者が、原爆とは何か、平和とは何かを考える素晴らしい機会であった。

白鷺城
京都のホテルから16人を引き連れ、姫路へ向かった。比較的スケジュールがタイトなのだが、早速予想外の動きが。京都駅へ着いたところ、参加者の一人が
「スタバに行こう!」
と言い出した。和風の朝食が口に合わなかったらしく、殆ど食べなかったらしい。他のメンバーも次々と同調し、騒ぎ出す。

何故かこのツアーにはアメフト選手のような巨漢が揃っていた。そんな連中にお腹を空かせてイライラされても困るので、駅前のスターバックスでのんびりと寛ぐことにする。

すっかり出だしから予定が狂ってしまったが、山陽本線で1時間半をのんびりと過ごし、姫路へと到着した。途中、沿線をずっと眺めていたトルコ人のAliが訊ねた。
「何故いつまでも街が途切れないんだ?」
確かに、アメリカでもヨーロッパでも、街と街との間には田園風景や森林があるが、日本は常に少ないにしろ家が立ち並んでいる。アメリカは国土が広すぎるから、ヨーロッパは城塞都市として発展したからだろうか。

そもそも日本は大半が山林で居住地域が少ない。江戸時代に三百藩が参勤交代を行ったために、そんな居住地域を繋ぐ街道が発達し、往来が増え、宿場町がいくつもできた。山陽道はその一つだから、街と街の間にも家々が立ち並んでいるのだ、云々、と答えたのだが、本当のところはどうだろう。余り考えたことのない視点でものを訊ねられ、日本を再発見するのがまた面白い。

そうこうしているうちに姫路へ到着。空模様が怪しいので、もうお昼だったが一路お城へ向かった。

c0131701_16251984.jpg天下の名城だけあり、白鷺城と呼ばれる姫路城は美しかった。皆喜び、定番の"MIT"ポーズや集合写真を撮って楽しむと、いざ城内へ。

近くにいる友人たちに色々と説明をしながら進む。壁の小さい穴は的を銃で狙うための窓だ、石垣は技能集団ごとに秘伝の積み方があり、徐々に角度が急になって登れなくなっている、三重の濠を廻らせているのは姫路城と江戸城だけ、等々。こういう薀蓄を適度にちりばめると、みな感心し、さらに興味深く見学していた。

神戸ビーフ
城内を1時間ほどかけて見ると、皆すっかりお腹が空いていた。では昼に神戸牛を食べようか、と誘うと、流石は肉好き、皆大歓声で喜んだ。
…ただ、「でも4オンス$30くらいするからね」と言うと、急に気勢が削がれた。それでも一部は是非でも食べたさそうに見えたため、神戸牛以外も用意されているレストランを予約し、神戸へと移動した。

c0131701_1626245.jpg神戸ではハーバーランドへ向かい、モザイクの中にあるレストランに行った。半分弱が、結局神戸ビーフを注文した。熱々の鉄板に乗った神戸ビーフが登場すると、皆大喜びしながらも、アメリカでは考えられない肉の薄さに戸惑っていた。

とはいえ、「こんなに蕩ける肉は初めてだ」と大好評。神戸ワインも進む。皆喜んでくれ、充実した旅だった。

この参加者達の殆どは初対面だったのだが、小旅行を通じて非常に仲良くなれ、その後の旅でも何かと交流を深められた。友人が増えるのは嬉しい。

和風焼肉
京都へ戻ると、今度はオプショナル・ディナーとして20名余りを焼肉へ連れて行った。肉続きである。

お店は祇園の『鹿六』という名店。京都のプロジェクト期間中、肉好きのマネージャーが毎週のように連れて行ってくれたお店で、もと料亭だったのを改装したため、非常に風情がある。静かな八坂通りに面していて、古い祇園の雰囲気がある。そして何より、近江牛の焼肉は正に絶品。京都にプライベートで行くときには必ず訪れるお店である。

始めはサラダなど野菜が次々と運ばれてきた。美味しいのだが、アメリカ人はもう肉が食べたくて待ちきれない様子。ようやく待望の肉が来ると、一枚一枚丁寧に並べていた私から、アメリカ人が菜箸を奪い、一気に並べだした。

流石に美味しい。適度な霜降りが炭火で炙られ、軽く焦げた匂いが食欲をそそる。口に入れると、さっくりとした表面と、中から溢れる豊かな味わいが堪らない。皆夢中で食べていた。
一通りコースが終わっても食べたりない様で、追加の注文も行い、最後は皆満足していた。


ツアーやディナーの企画と引率はそれなりに大変ではあるが、それを通じて皆から信頼を得、感謝され、友情を育むことができ、非常に遣り甲斐がある。サービス精神をフルに発揮し、今後も頑張っていこう。
[PR]
by flauto_sloan | 2008-03-23 23:08 | Japan/Israel Trek
Japan Trek (2/10)…京都に上る
サンフランシスコで一泊し、翌日は無事に関西国際空港へ向けて出発できた。幸運に恵まれつつ、思い出の地、京都での最初の夜は順調な滑り出しだった。

思いがけないフライト
今日のUAの便もオーバーブッキングだったため、さらにアップグレードし、なんと生まれて初めてのファーストクラスに。食事はさすが上質で、ワインも美味しい。フルフラットで眠れ、快適。惜しむらくは機体が古く、映画がビデオテープ貸し出しだったのと、電源がなかったことか。すっかり寛いで、夕方の関空へと到着。

全体でのウェルカム・パーティーが京都で行われるので、同じくSFへ足止めされた二人と京都の宿へ行き、着替えをしてから会場へ向かう。

ウェルカム・パーティー
三条の会場へ到着すると、心配してくれた日本人オーガナイザーや友人たちが、温かく迎えてくれた。ようやく追いついた。

c0131701_14181380.jpgパーティーは時差ぼけを吹き飛ばすかのようにどんどんと盛り上がり、やがて舞妓さんが呼ばれると、みなカメラを持って大興奮だった。初日の元気付けは上手くいった。

解散した後は、クラブへ向かう人、散歩に出る人、ホテルに帰る人と様々に分かれた。私はオーガナイザー数名と、日本人の心である、ラーメンを食した。本当は北白川の天下一品本店に行きたかったのだが、前日に京都入りした人たちが既に天下一品を食べていたため、第一旭で懐かしの味を楽しんだ。

京都
京都は非常に思い出深い街だ。仕事を一通り覚えた頃、京都に桜の季節から紅葉の季節まで常駐したことがある。私が一番若手のやや大きめのプロジェクトチームは、みな素晴らしい人ばかり。

プロジェクトは極めて過酷だった。取り組んだ課題は、新業務と既存業務間のプロセスの整合性と改善可能性の精査、コスト削減、新業務に対応できる組織・制度立案という3本柱であり、実際はこれらが絡まり、非常に複雑度が高かった。

クライアントは関西特有の厳しさで、結果を早く出すことへのプレッシャーが激しい。また、組織の末端まで落とし込むため、資料と論理には相当な簡潔さが求められ、コミュニケーションスタイルの違いに苦労する。常に侃々諤々と、時には怒号が飛び交いながらも、クライアントと議論する日々だった。

そんな辛い日々を支えたのが、京都の美食だった。美味しいものを食べて、時にはお酒も入って、活力を付けて明日に臨む。それが続いた結果、チームは皆ひと回りもふた周りも大きくなった。物理的に。
そしてこのチームメンバーとは、「戦友」と呼び合う程の強い絆ができた。

今回の京都滞在でも、その時に通ったお店のいくつかに行こうと思っている。数年たち、学生となって食べると、また違ったものを思うのだろうか。それとも鼻腔をくすぐる香りで、当時の戦いを思い出すのだろうか…
[PR]
by flauto_sloan | 2008-03-22 23:58 | Japan/Israel Trek
Japan Trek (1/10)…おまけ(?)のSF Trek
Japan Trekがついに始まった。そして早速、今年何度目か分からない航空関連トラブルにつかまった。

私のいる40人程のグループは、早朝6時の便でボストンを出発。サンフランシスコ経由で関空へ向かった。一人の遅刻者もいないという好スタート。幸先が好い。修学旅行気分で、和やかなフライトだった。

サンフランシスコに到着し、国際線に乗り換える。待ち時間にメキシカン・レストランでさっそく盛り上がる一行。

定刻が来たので、UAの搭乗ゲートへ向かう。なぜかボストンで大阪行きの座席指定ができなかったので、ここで確認… のはずが、カウンターの前には人だかり。
カウンターの女性が相当いらいらしながらやりとりをしている。

オーバーブッキングだった。20人分近くをUAがオーバーブッキングしてしまい、大混乱。翌日便へ振り代えるボランティアが多少出たものの、大半がサンフランシスコでの足止めを食らった。

こういうトラブルには決まって巻き込まれるのが私だ(嬉しくない)。ご他聞に洩れず、足止めを食らう。

他にもJapan Trek参加者二人がSFへ一泊することとなり、翌日便(当然ビジネスへアップグレード)をコンファームして、仕方なく3人でUAが提供するホテルへ向かった。二人は到着翌日に相撲観戦を予定していたが、これは可哀想にキャンセル。不幸中の幸いは、オーガナイザーの私が一緒にいるため、日本への連絡などの対応はスムーズにできた。

あとは開き直って、サンフランシスコ観光
あまり予定も立てていなかったので、市内をひたすらに歩き、桟橋を歩き、金門橋を見た。椰子の木、太陽、どちらも東海岸にはない。やはり太陽はいい。

ディナーは参加者の一人の友人達と食事をし、楽しく語らう。
食後、SFで人気のアイスクリーム屋で、寒いながらもトロピカルなアイスを食した。なかなか美味しい。想定外のツアーだったが、楽しんだ。

改めて出国。今度こそは無事に着くように。

参考: 今年の航空関連トラブル
AAにはもう乗るまい
スーツケースの受難再び
受難曲

[PR]
by flauto_sloan | 2008-03-21 09:55 | Japan/Israel Trek