MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
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カテゴリ:MITでの学び(MBA)( 80 )
Regression & Extrapolation
統計学で学んだ回帰分析を、今日の"Communication for Managers"という授業でケースを用いて行った「倫理的判断」の議論の様子に当てはめると、自分がこの多様なスローンの中で何を学べるのかが少し見えてきました。

背景1 - 回帰分析
今週統計で学んだ(正しくは10+α年ぶりに基礎から復習した)回帰分析とは、複数のデータの間に定量的な関係の構造を求め、従属変数を独立変数で説明するための分析です。
簡単のため二変数の例を挙げると、ある年の売り上げ(=Y : 従属変数)と、前年の広告費(=X: 独立変数)との間の関係を、同じ業界の20社の過去5年のデータから分析すると、 Y=aX+b というような関係が見出せるものです。これを回帰直線といいます。
この回帰直線が現象をよく説明できるのであれば、本年度の広告費から来年の売り上げを予測することができます。

決定係数(R-square)など細かい話は飛ばすとして、実用面で注意すべき点としては、元のデータの範囲を超えて回帰直線を引っ張り(外挿: extrapolation)、予測しないようにすることです。回帰直線を求めるのに使った広告費が10億円から200億円までの範囲だったなら、400億円かけたときの売り上げは精確に予測できないためです。


背景2 - 倫理的判断についてのケース
今日のケースは、ハーバードケネディスクールのもので、性差、文化の違いなど複数の対立軸があるなかでの判断を問うものでした。
男性社会の石油産業で女性に対する偏見に抗いながら順調に出世したブラジル人の女性が、エクアドルの石油パイプラインの一大プロジェクトを任されたのですが、開発対象となるアマゾンに住む部族を訪れてその文化や人々の営みに触れ、さてプロジェクトを進めてこの文化を破壊するか、反対を唱えて「これだから女は」と言われるか、ジレンマに陥る、というケースでした。
実際はもう少し要素が加わっており、ビジネスにおける性差(別)や異文化への接し方といった主題を議論し、その中で人々が何をvalue (価値)と見做し、その価値をもとにどのように倫理的判断をし、どのような帰結に至るかを討議するケーススタディ・・・のはずでした。


背景3 - ケースの議論の発散
本来このケースは複数の対立軸をうまく整理して、多様なバックグラウンドを持つSloan生の経験や考えを引き出し、深い議論へと導けば面白くなるものでした。
担当教授は普段から、あまり表立って議論を制さず、生徒間の自由かつ活発な論議を生み出そうというファシリテーションのスタイルをとっていました。残念ながら今回はそれが裏目に出たようです。
自由な議論にすると、どうしても「性差」というセンシティブかつ皆一家言持っている論点に拘泥しがちで、議論がどんどん発散していき、深みに乏しくなりがちでした。そればかりか、異文化への接し方といった他の視点が必要な論点までも、男女差に帰結しようとする強引な意見まで表れてしまいました。

そんな中でひとつだけ印象深かったのは、実務経験豊富なトリニダード人が、同じ黒人の女性が以前バイト先で差別された経験について
「他人の行動や発言を正しくない、あるいは差別的だ、と判断するときには、君の中で黒人はこうあるべきだ、女性はこうあるべきだ、という観念、そしてそれもまた偏見があり、他人の行動や発言を通して自分の偏見を表しているに過ぎない」
という旨の発言をした時でした。

ともあれ、最後まで今回のケースで何を学ぶのかが不明なままに終わりました。


本論1- ケースの議論から何を学んだか
そのような「荒れた」ケース議論になりましたが、途中から一歩引いてこの議論そのものを眺めることで、学びがありました。
例に漏れずアジア人は総じて発言が少なく、議論の殆どはアメリカ人またはイスラエル人が行っていました。そして彼らの論じる内容は、私からしてみれば、これまで5年余りを西洋的文化・価値観を具現化したコンサルティング・ファームで働いた経験から、予測可能な論点や意見ばかりで、重みのある発言は先述のトリニダード人のものくらいでした。

アジア的な観点で、西洋的観点と大きく異なるものに関しては、ほとんど考えが及んでいないように思えました。教授が「世界で共通とされている8つの価値」について触れたときも、論語や武士道での価値と比べて、ああ、礼や勇や克己といったものは重視されていないな、と感じ、あるいは異文化への接し方に関しても、ああ彼らは基本的にクリスチャンだから、アニミズム的な文化や価値観は理解していないな、と思いました。

それらをケース議論の中で課題提起して、深みを増すことが私(や他のアジア学生)の使命であるのでしょうが、残念ながらいい反応が返ってくるような雰囲気ではありませんでした。異文化を理解するということを、political correctness 以上の意識として持っていない人が(不幸にも声の大きい人に)散見していると思えてならなかったためです。とはいえ、この不作為については私は咎められるべきでしょう。

このように、授業を一歩引いて観ることで、MIT Sloan の学生という頭の良い集団でも、自分の考えの及ばないものへの想像、理解、寛容は難しいのだな、と実感と共に理解することができました。


本論2- Regression (回帰) と extrapolation (外挿)
一を聞いて十を知る、という諺がありますが、これは自分の中に多様な知識や論点が蓄積されているため、頭の中にある種の回帰直線(実際は重回帰)が引かれており、一というインプットから(最小二乗法で?)regression model を最適化し、十までのアウトプットを予測・説明してしまうということだと思います。
特に日本人は「一定の時間的順序で入ってきた色々な思想が、ただ精神の内面における空間的配置をかえるだけでいわば無時間的に併存する傾向をもつ*」といわれています。一を聞いて十を知ることが賢いとされるのは、そこに重回帰的(複数の知識から一つの説明を行う)な構造関係を持っているからではないでしょうか。
そして最大の課題は、十を越えて百、千と推察をする想像力に在るのではないでしょうか。そこには自分の経験にはない結論が含まれ、それはいわばデータ範囲を超えた推論、つまり外挿になります。外挿であるが故に確からしさは保証できないのですが、議論の立ち居地としてその想像ができるかどうかで、人間的な広がりや、様々なバックグラウンドを持った人との深い議論ができるのではないでしょうか。

今日の議論を見ていて、真の論点が一部の人の経験値を越えていました。ある人はそこへ外挿を行って、想像した仮説や意見をぶつけて、他の経験を持った人の深い洞察を導こうとしました。ある人は外挿できないままに、自分の経験から理解できるものでしか話さない、あるいはそれしか理解しないでいました。外挿による想像力の差が如実に現れていました。


結論 - MIT Sloan で学ぶべきもの
複雑なこの世の事象に対し、自分なりの考えや判断軸を持つためには、

a. Regressionを行うためのデータ(知識・経験)を幅広く深く増やして決定係数の高い(質の高い)回帰分析が行えるようにする
b. 学びて思い、自分の中のデータに構造性を与え、判断軸を紡ぐ(作るとともに重み付けをする)
c. 自分で収集できない範囲の知識・経験は、他者の経験を引き出して己の糧とする。その際は、b.で作った回帰曲線(判断軸)を外挿し、best guessの仮説をぶつけ、より深い知識・経験を引き出す
d. 他者から得た知識をもとにregressionをかけ直し、己の判断軸をより精緻で幅広く使えるようにする

の4つのステップを繰り返し踏むことが肝要だと考えました。
今は様々な講演やワークショップに参加し、a と b を繰り返しているところです。そろそろ、cのステップに踏み出そうかと思います。

そして改めて思うのは、MIT Sloan での経験に学びが無いものは決してなく、今日ような学びを得るための刺激に溢れています。
もっともっと刺激を受けたい、その思いを新たにしました。


* 丸山真男 「日本の思想」より。丸山はこの構造性の欠如を問題と捉えている
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by flauto_sloan | 2007-11-06 02:07 | MITでの学び(MBA)
フィードバック
今日は学校で二つのフィードバックがありました。
一つは悔しいもので、一つは嬉しいものでした。

一つ目は、Accounting(会計)の中間試験の結果が返ってきたものです。
労力的には一番力を入れたにもかかわらず、ケアレスミス等々に泣かされ、不本意な結果でした…

Harvard には"Primal Scream (リンク先のページ中央の写真参照)" と呼ばれる、試験前の夜中に裸で構内を走り、先に恥ずかしい思いをしてしまおう、という行事があるそうです。僕も走っておけばよかった…


そんな失意の中、二つ目のフィードバックがありました。
Communication Lab.という、2年生のTAがファシリテーターとして様々なコミュニケーションの練習をするクラスがあります。今日は一学期の前半を終えた区切りとして、チーム内でフィードバックを行いました。
良いところ、直すべきところ、将来適していると思われる職業、の順にフィードバックをお互いにしていきます。

私へのフィードバックは、
良いところ: 勉強にしろチーム内での発言にしろ、常に非常に高いクオリティでプロフェッショナルなアウトプットを出せる。さらにいつも協力的で、宿題などでチームを助けている
直すべきところ: せっかく正しい意見を持っているのだから、議論のもっと早い段階でそれを言うべき。そうすれば議論がスピードアップでき、みんなの時間も短くて済む
向いている職業: コンサルタント*、経営者

自分が思った以上に、みんな私の発言やアウトプットを認めてくれており、そして皆もっと私の考えを聞きだしたい、もっと自分を出して欲しいと言ってくれました。悪戦苦闘しながらも自分の価値を認めてもらえていたのだな、と思うと気が楽になりました。

でもだからこそ、それを開陳するタイミングやディスカッションでの立ち居地も、comfort zone をどんどん踏み出していかなければいけない、と強く薦められました。

このMBA環境ではリスクは殆どないのですが、恐らく自分で自分の中に「リスク」の幻覚を作り出しているのでしょう。漫画で天使と悪魔が頭の中で葛藤するように、自分の頭の中にもう一人の自分が居て、comfort zone を踏み出そうとすると、どんどんリスクを挙げてきて、discourage しようとしてきています。
仕事という外部プレッシャーがない現状では、自分の意志によってその幻覚リスクを打破しないといけません。今のところ、残念ですが必ずしもいつも出来ているとはいえません。

コンサルティングの仕事では、新しいことをしたり、何かを変えようとすると、クライアントからできない理由が10も20も挙がってきます。
それを論破し、裁き、乗り越えて、他者をその気にさせるのはできているのに、自分に対してできないとは!

恐らくは、学歴や成績といった履歴書上の過去の記憶と、世界的コンサルティング・ファーム出身というレピュテーションに縛られているのでしょう。
就職活動も特にしない予定であり、駄目な自分をも許容してくれる仲間がいる環境であるのなら、尚のことこれらをリスクに仕立て上げてくる幻覚に別れを告げ、自己を対象とした壮大な実験を行わなければ。


学ぶものを学んでいれば、成績など副次的だし、虚栄心など邪魔なだけ。
手段を目的化することなく、本質に立ち戻って、前向きに学ぶことにします。

* それにしても、なにかコンサルタントやゼネラルマネジメント以外の向いている職業を言って欲しかった…
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by flauto_sloan | 2007-10-29 15:03 | MITでの学び(MBA)
中間試験を終えて
先週は中間試験で、これまで学んだことを振り返るいい機会でした。テストの出来はともかくも、答えが一意にある問題に対し、授業で与えられた知識をもとに、過去問や補講で示された論理構成で、解を導き出す、というプロセスを行うのが懐かしくも楽しかったです。

普段の仕事(コンサルティング)では、定まった答えがなく、必要な知識も論理構成も自分で考え出し探し出し、そクライアントが納得するような解決策を捻り出す、というプロセスです*1

それに比べれば、なんと美しい。
堅牢な論理構成と、客観的かつ一意な解。


ただ、このような美しさを現実の仕事で求めるには、相当量の抽象化、思い切った捨象、現実離れした前提が必要なことが多く、実際のところは納得感、現実感に引きずられてしまい、こうも美しくはいきません。その美しくないところが、現実世界の面白みなのでしょう。
一方で、地を這い回るだけでは知的生産者たる価値がないのも事実です。この中間試験は、しばらく忘れていた、自然科学的美意識を思い起こさせてくれました(純粋な自然科学ではないので、数学のような美しさとは異なりますが)。


以下に科目ごとの感想です。
1.Data, Models and Decisions (統計)
統計も基本的なことは学部生の頃にやっていたので、二項分布や正規分布などは記憶の箪笥の奥から引っ張り出しながら学びなおしました。
統計は仕事では数式や結果を利用するだけの「ツール」として使ってしまっていましたが、改めて基礎から学び、限られた使い方しかしていなかったな、と感じました。

よく友人に「コンサルティングでは、DMDの授業でやっているように、意思決定のシナリオごとに、確率から期待収益額を求めて、比較してレコメンデーションを作ってるの?」と聞かれますが、期待(?)通り「そうだよ」と言い切れないのが残念です。

まず、確率論を持ち込める機会が限られています。予め確率が判っている事象など、ビジネスにおいてはほとんどありません。ならば統計調査を行う必要があるのですが、それも取り扱う課題の解決に、本質的に必要かどうかで実施の可否が決まります。傾向としては、消費者向けビジネス(BtC)ではネットサーベイなどを使って大掛かりな調査をすることが間々ありますが、法人向けビジネス(BtB)では機会が限られています。
さらに、DMDで扱うような定量分析は単独でも極めてパワフルなのですが、マネジメントの意思決定においては、その定量分析からの意味合いをサポートするような定性分析や、半定量的な分析も組み合わないと、十分な判断材料がない、もしくは最後の一歩を踏み出せない、ということになりがちです。

なので、統計的手法は知っておくべきだが、それだけで答とできるほど世の中と人の心は美しくシンプルではない、というのが答えです。
それはわかった上で、純粋な定量分析を学びなおしているのが楽しいのです。


2.Financial Accounting (会計)
会計はコンサルティングの仕事で必要とされる基礎知識(私の入社時は、新入社員はすぐに日商簿記の試験を受けさせられました)なので、日米の違いはあるものの、大きな苦労はしませんでした。

会計は学問というよりは技法なので、そう割り切ってひたすら過去問や練習問題に取り組み、レターサイズのチートシート(持込可のアンチョコ用紙)を手書きで作りました。いずれ書きますが、私は手書きに拘っているので、直前に様々なチートシートがクラス内にメールで飛び交いましたが、結局自分で手書きで作りました。結果的に、変則的な問題もありましたが対応できました。
会計は技法であるがゆえに、運用方法も厳格に決まっています。ただどの方法を採択し、会計上の数字に過ぎない「利益」を、いつ、どう投資家に見せるかが、経営者の意思・裁量にかかっており、ケーススタディでは議論を生みます。
人の意思が選んで作り出した数字を、それが乗った財務諸表を見て分析し、逆に人の意思を探り出すリバースエンジニアリングはなかなか楽しいです。人の表情から感情を探り出すようで。


3.Economic Analysis for Business Decision(ミクロ経済学)
以前書いたように、経済学をちゃんと学ぶのは初めてだったので、心して取り組みました。需要供給曲線、市場介入、不完全市場… 

今学期のEcon(通称)のメインテーマは”Pricing”であり、完全/不完全市場における価格決定のメカニズムを学びました。実際のプライシングでは、個別の商品市場はデータも少なく需要・供給曲線がすぐには分からないために、様々な手法が発達しています。
新人の頃、あるニッチ素材のプライシングのプロジェクトに入ったときは、様々なプライシングのための分析手法(Value based pricing*2など)を学びました。極めてテクニカルで、かつ個々の企業の競争環境に大きく依存するそれらの手法と、需要・供給曲線による理論的なアプローチの差が新鮮でした。いきなり応用から入っていたので、あらためて基礎の理論を知ることで、プライシングという妙技を少し俯瞰できてきた感があります。


と、ハードな3科目が終わり、みな開放感に溢れています。今日はRed Soxがワールドシリーズ進出を決め、Fenway詣でに行った友人も興奮しています。街の興奮に憂いなく参加できることが嬉しく楽しい、そんな試験明けの週末でした。

*1 実際は、たとえば7つのステップと云われる問題解決のプロセスが確立しているので、体系的なアプローチがとられています
*2 プライシング手法の一つで、ある商品の便益によって顧客のビジネスに生み出される価値を計算し、その価値をもとに商品価格を決定する手法

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by flauto_sloan | 2007-10-22 03:33 | MITでの学び(MBA)
Mid-Term
この頃スローンに流行るもの、レビュー、過去問、勉強会…

つひにくる 時とはかねてききしかど きのふけふとは 思はざりしを

・・・中間試験勉強に追われる週末です。

昨日MITのロボット技術者の方と、Sloan生数名とで飲み、新規なアイディアの市場性についてブレストしてきました。とても楽しくエキサイティングな時間でした。
その分、この週末は集中してやらないと、終わらない・・・・・・
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by flauto_sloan | 2007-10-13 12:41 | MITでの学び(MBA)
Bidding
再来週は中間試験週間で、翌週にSIP(Sloan Innovation Period)という、試験休みのようなものがあります。
この1週間は、リーダーシップ系とリサーチ系に区分された、様々なワークショップやレクチャーがあります。これはちゃんと単位がつき、2年間の各学期で計4回あるSIPにて、規定の単位を取る必要があります。とはいえ、宿題もなくかなりリラックスして受講できる内容となっています。

面白そうなものでは、ボスニアPKOにおけるリーダーシップのシミュレーション、ゲーム理論のファイナンスへの応用、ウォールストリートにおけるリーダーシップ、といった題目があります。

ただ履修に当たっては "bidding" システムが取られており、戦略的に狙っていかないと、なかなか聞きたい授業が聞けないばかりか、下手をしたら1つも履修できない、と言うこともありえます(その時は救済措置で1課目は取れるらしい)。
Biddingとは要はオークションで、各自1000点与えられ、これを取りたい課目(最大6課目)に振り分けてビッドし、締め切り後に点数の高い人から定員までが履修できると言うものです。
ただしSIPに関しては2年生に優先権があり、まず2年生のビッドで残席があった場合に、はじめて1年生が賭けたポイントが考慮されます。
従って前述のような、いかにも面白そうな課目はほとんど1年生に回ってきません。

先週から今週にかけて、みな様々な情報収集に駆け回り、人気度合いを推測して賭ける課目とポイントを決めました。
2年生だけで埋まってしまった課目は、たとえ1年生が1000点を賭けても履修できないので、まずは2年生に人気の課目の情報を集めます。
次に、1年生の友人とどれが人気がありそうか、どこにビッドしたかを聞き出し、定員や内容を見比べながら賭けます。

様々なTIPS(コツ)があるようで、必ず最後は端数にする、できるだけ週の後半、それも朝早い時間からのものにする(2年生は週の前半に課目を集めて、長めの休日にしたいため)、人気のある授業の裏番組を狙う等々…

2年生からの情報は大体似たようなものなので、1年生のどれだけが同じ情報を得ているか、
情報を得た上で、どれだけの人が「この課目は必ず取れ」という先輩の教えに従うか、
その上で履修に必要な最低点はどれくらいになりそうか…
裏の裏を読んでいくあたり、なかなか面白いです。殆どゲーム感覚です*

私は今学期は最低限の単位をとることを目標にして、その中で興味のあるものを選びました。
果たしてどんな結果になるのか、楽しみです。

* かつて上司が「コンサルタントは悪知恵が働き、人の裏をかけないといけない。自分が悪いことをするためではなく、新しい仕組みやルールを提案する前に、人々がどのように裏をかいてきうるのかを想定できなければならないからだ」と言っていたのを思い出しました

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by flauto_sloan | 2007-10-01 23:11 | MITでの学び(MBA)
米大学での勉強は週60時間
予習の手を休めて、しばし休憩(早く寝たほうがいい気もしますが)。
授業が始まって間もないのですが、MITの厳しさは評判どおりで、日々宿題と予習に追われています。

c0131701_15505137.jpgちなみに、Economicsの教授によると、コアタームの作業量(赤線)と、それによるフラストレーション(青線)は右図のようになるそうです。
指数関数的に増大する作業量、そして迎える中間試験。
一山越えても、決して楽にはならず、そのまま冬休みまで一直線。
コアチームで助け合わないと、なかなか乗り切るのが難しそうです。
そんな米国の大学の勉強についての紹介です。


初歩の初歩から一気に加速
父親がかつて米国のあるIvy League校で教鞭を執っていたため、昔から日米の大学教育の違いについては聞かされてきました。

米国の大学の一つの特徴として、授業は初歩の初歩から始まります。
DMDという統計の授業では、高校生レベルの確率の話から始まりますし、経済学も極めてベーシックなところから始まります。
そのため、多少なりとも予備知識があると、つい油断してしまいますが、授業は一気に加速していきます。

これは、教授が授業のシラバスを設計する際に、全く予備知識がない人もいることを前提に組まなければならないからです。
米国の大学は転籍が多いので、どんなバックグラウンドの生徒でも入ってこれるようにしなければなりません。そのため、基礎の基礎から入るわけです。
ただし、そこで教える基礎の基礎は直ちに習得することが求められ、次の授業ではさらに発展し、回を追うごとに一気に高度になっていきます。
そのため、生徒に求められることが二つあります。

一つは、週60時間の勉強
もう一つは、授業中での質問です。


週60時間
留学前に父から私たち夫婦が言われたメッセージは次の一言でした。
「週60時間以上勉強すること」

入学が困難で卒業が容易な日本の大学と異なり、入学が比較的容易で卒業が困難な米国の大学では、生徒に相当の勉強量を期待します。
父の言に拠ると、教授側はカリキュラムを組む際に、週60時間以上の勉強をするものとして設計するため、かなりの分量を課してきます。
そのため、授業についていけないという学生に対しては、「週に何時間勉強しているのか?」が最初の質問として尋ねられます。
そこで60時間以下の場合は、決まった答えとして「まず60時間勉強し、それでも分からないのなら改めて来なさい」と言われるそうです(少なくとも父はそうしていたらしい)

60時間とはなかなかの分量です。
Sloanの図書館は朝8時30分から夜23時まで開いているので、夜に予定がない日はだいたい籠っているのですが、たしかにそのくらい勉強しないとなかなか大変なものがあります。
MBAの目的の一つでもあるネットワーキングもしようとすると、睡眠時間に皺寄せが来てしまいます。私は睡眠は4時間半でよいのですが、それを切ることもしばしば。
とはいえ、勉強は楽しいので苦にはなっていません。
読書百遍、意自ずから通ず、と謂いますし、分厚いテキストと仲良くしています。


授業中の質問
先日、"He is quiet in the class" = "He is dull" と書きました。
各授業で新しく教える内容は、一見簡単に思えても完全に理解せねばならず、そのため勝手な思い込みを排して、質問をして徹底的にその場で習得する必要があります。
アメリカ人からの授業中の質問には、鋭いものもあれば「なんでそんな自明なことをわざわざ聞くんだろう」と思えるようなものもありますが、それは自明だろうと質問・確認しなければならないことがわかっているためです。

アジア系(韓国や中国)留学生と話していると、
「質問をするからには、高度で的を射た質問でないと」
という意識が強いです(実際私もその傾向がまだまだあります)。
ここはアメリカなのだし、意識を変えないといけませんね…


以上のような父からのアドバイスをもとに、勉学に邁進することにいたします。
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by flauto_sloan | 2007-09-18 03:31 | MITでの学び(MBA)
2週間を終えて - 経済学、組織論
授業が始まってちょうど2週間が経ちました。
噂には聞いていましたが、Sloanのコアターム(必修科目のみで構成される最初の学期)は勉強する量が半端じゃなく多く、さらにこれが今後増えていくので、なかなか身が引き締まる思いです。
学びて時に之を習う、また説ばしからずや、
ということで、そんな2週間での学びの習いです。

全般
各科目とも、非常に基礎的なことから入ったために内容的にはまだ難しくないのですが、いずれも単なる講義ではなく、ケース・スタディなどを通じて「経営者の視点」を養っているところが面白いです。
中でも面白かった科目が経済学と組織論でした。

Economics (ミクロ経済学)
今学期で一番面白い授業になりそうです。
経済学をきちんと体系立てて学ぶのは初めてなのですが、元コンサルタントのベルギー人、Van den Steen教授の語り口が明快でわかりやすく、楽しみながら授業を受けています。
驚いたのは、宿題は中身を採点せず、とりあえず提出されていれば満点をつける、と宣言したこと。通常宿題はコアチームで議論していくのですが、そこで多様な視点を誰もが持ち込めるよう、完全にrisk free な環境を提供しているのです! 素晴らしい英断です。

内容に関しては、教授の「経済学はビジネスにおける根幹であり、決して古びることはない」という信念の下に、理論(授業)と実践(課題)を組み合わせた、まさに文系における Mans et Menus を体現したシラバスとなっています。

まずは市場の定義を議論し、市場の境界を定める4つの要素(製品・サービスの差別化、情報、利用方法・環境、ゲームのルール)について議論しました。
次に完全競争市場の需要供給曲線を説明し、そのまま一気に関税の市場への影響を、アメリカ政府が輸入砂糖に課した関税(本質的には割当)のケース・スタディを通じて議論しました。
学んだことをそのままケースを使って議論することで、いかに実社会に経済学のモデルが適応できるのかを感じ取ることができ、刺激的でした。


Organization Processes (組織論)
「MIT Sloanの生徒は、数字に強いがソフトスキルに弱い」という定説を覆すべく導入された授業で、人間・組織がどのようなダイナミクスで動くのかを学ぶと共に、実際に企業に対してプロジェクトを提案し、組織課題を炙り出すという実践も伴ったものです。
髭が似合った Mortensen 教授は語り口が面白く、授業を聞いていてどんどん引き込まれ、クラスメート間の議論も活発になっていきます。

最初の授業では、組織を看る上での三つの視点=レンズである、
- 戦略的レンズ: 論理的に、組織の目標や戦略がどう定まり、動いているかを見る視点
- 政治的レンズ: 利害関係者間でどのように興味が異なり、力が作用しているかを見る視点
- 文化的レンズ: 事象に対し、文化に根ざした態度や信条によってどのような意味が与えられるのかを見る視点
を学び、実際にケースを使ってある企業の組織を分析しました。
konpeさんも書いていましたが、この視点は組織のコンサルティングで我々が使っている7Sフレームワークによく似ています。さて、両方を知った上でどうプロジェクトを進めていこうかと、楽しみにしています。

最初の授業で取り上げたケースは、MBAホルダーを重要プロジェクトのリーダーに任命したら、社内政治に全く疎く、プロジェクトが破綻寸前になりました。さてどうする? というもの。
これからMBAをとって活躍するぞ、と意気込む生徒たちに冷や水を浴びせる、このケースの選び方が好きです。
議論の中で、マネジャーたる者、職分を確実にするためには上司もマネージしなければならない。また、チームを信頼しつつも、勝手にしゃべらせて何か出てくるのを待っているだけでは職務を全うしていない、ゆえにもっと直接指示出しをしていかないとならない、と改めて考えさせられました。

次の授業では人間が判断をする上での「バイアス」に関して学びました。「人間は理性的ではない。ただしある条件下では、理性的たり得る」というメッセージに始まり、さまざまなバイアスで如何に人間が誤った判断をするのかを、実例を示しながら説明し、「これらのバイアスの存在を知ることで、利用することもできるし、同時に自分の身を守ることができる」と教わりました。
そこで示した例というのが、1週間前に授業中に行ったクイズでした。巧妙に設計されたこのクイズの結果、Sloan生でもすっかりバイアスの罠にかかっていることが示され、クラスは「あぁー、してやられた」という空気に包まれました…

たとえば、「自社製品の主要部品の価格をサプライヤと交渉することになりました。交渉にはAプランとBプランとがあります」の後に、半分の生徒には
「Aプランは必ず4億円(実際は$4M)損しますが、Bプランなら2/3の確率で6億円損をし、1/3の確率で全く損害を出さないで済みます」
もう半分には「Aプランは必ず2億円利益がでますが、Bプランなら1/3の確率で6億円の利益がでるものの、2/3の確率で利益がでません。」
さて、結果はどうなったか…

同じ事象でも、損か得かを先に「フレーミング(枠組み付け)」されてしまうと、異なる判断を示す、という例でした。つまり、損するケースでは多数がBで1/3に賭ける一方、得するケースではAの利益確定を志向しました。
このような例がどんどん示され、楽しみつつ色々な心理的陥穽を学びました。

その他のファイナンス、統計/意思決定、会計については後述します。
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by flauto_sloan | 2007-09-15 11:23 | MITでの学び(MBA)
Registration Day
昨日はRegistration Dayでした。
つまるところ入学式なのですが、こちらはひっそりと、入学同意書にサインをして終わりでした。
卒業式(Commencement)はガウンを着て派手にやるのですが、入るのは地味に。
日本だと入学試験が大変なので、入学式が華々しいのですが、こちらは卒業が大変なので卒業式が派手なのでしょうかね。

さっそく"Communication for managers"の授業(といってもガイダンス程度)があり、自己紹介とケーススタディを軽くやりました。
トリニダード出身のクラスメートが、これまで30回も転職したらしく(というよりも、余計なことを言ってクビになり続け)、
「俺は新しい仕事を見つけるプロだから、職探しのときは何でも聞いてくれ」
「あと、何を言っちゃあいけないのかも、知りたかったら聞いてくれ」
と話したのが面白かったです。
MIT Sloanはとにかく "something different" なものを持つ人を好む(これはMITのカルチャーでしょうが)ため、様々な面々がいて楽しいです。

そんな面々と、夕方からはC-functionと呼ばれる飲み会。
これは経済学の consumption function (消費係数)になぞらえて、ビールを消費しまくろう、という趣旨で名づけられた、MIT Sloanの公式(?)飲み会です。

1970年代にSloanを卒業し、その後ずっと米国で働いている女性もいらして、色々と興味深いお話をお伺いしました。
その後は韓国人と喋ったり、インド人たちとなぜすぐに転職するのかなどを話しているうちに、すっかり酔っ払い、部屋に帰るといつの間にか寝てしまいました。

こうして、初日は平和に過ぎ去ったのでありました。
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by flauto_sloan | 2007-09-05 21:10 | MITでの学び(MBA)
オリエンテーション
盛りだくさんだったオリエンテーションが終わりました。水曜にはWarrren Centerという、ボストン郊外のNortheastern大学の教育施設に行き、体を使いながらチームワークを学び、木曜にはホテルにてNikeのコンプライアンス担当役員の方のレクチャーでグローバル化の陥穽を議論し、続けてBeer Gameと呼ばれるsystem dynamicsの教材ゲームでは社会的なシステム・構造が個人の意思決定に与える影響を学びました。

Warren Center
c0131701_14551395.jpg今後特に半年間を密に過ごすコアチーム”Pelican”のお互いをよく知り、ハイパフォーマンスなチームを作るため、コアチームで一日を共に過ごし、4つのアクティビティを行いました。
アクティビティではうちのチームは失敗を色々としましたが、お互いに赦し合い、さらになぜ失敗が起きたのか、どうすれば回避できたのかを議論し、学ぶ前向きな環境が築けました。チーム内で、どうすればよりよいチームを築けるのかの議論で、優れたチームにするために必要な二つの主要素があるという結論になりました。その二つは "Supportiveness""Openness"です。これはチームワークに関する研究でも同じ結論が出たそうです。

Supportiveness: お互いにお互いを扶け、リスクを取って成長する機会を与え、成功するための支援を惜しまない。そのようなsupportivenessがあって始めて、お互いを高めあえるチームになります。私のいたコンサルティング会社でも、世界中のどこから問い合わせが来てもサポートする、相互扶助の精神があり、そのために各プロジェクトチームが上手く機能していました。

Openness: ともすれば人にものを尋ねる、お願いをするというのは、プライドが邪魔をしてなかなか素直にできません。また、尋ねても偏狭な相手だったり、他人と知見を共有するのを厭う人だったりすると、何も得るものがありません。やはり優れたチームには、お互いが躊躇せずに質問をし合い、意見を述べ合える環境と(明示的でなくとも)合意が必要です。

また、アクティビティを通じてのフィードバックをお互いにし、巧遅は拙速に如かずという孫子の言を思い出しました。残念ながら、私へのフィードバックは会社のトレーニング等でいつも言われることと変わらず、もっと成長しなければという焦燥感が生まれました。「ひとたび何かを言ったりやったりすると、正確かつ優秀な結果を出すのだから、もっと早く積極的に発言したり行動したりすべきだ」というものでした。どうも英語環境だと、ちょっと傍観しがちです。やはりここはリスクをどんどん取って、正確性を下げてでも行動を早めなければなりません。まさに拙速です。


Beer Game
オリエンテーション最終日の木曜は、GMがスポンサーでOperationsのJ. Sterman 教授が教鞭を取り、いかにシステム(構造、立場、それらを結び付ける仕組み)によって人の意思決定が決まってくるのかを実践しました。
サプライチェーン上の4つの役割(小売、卸、物流、工場)にチームが分かれ、消費者の需要を見ながらビールを生産し、いかに在庫と欠品を最小化するかというゲームでした。結果は会場の43チームのほぼ全てで同じであり、サプライチェーンのどこかで(量にこそ差はあれ)莫大な在庫を抱えるか、大幅な欠品が生じました。その在庫/欠品量は周期的で、サプライチェーンの下流に行く程周期が遅れ、振幅が増大します。
この現象自体はかなり理論で説明がつくことであり、私が関わってきた半導体業界ではシリコン・サイクル*としてよく知られている現象でもあります。ただそこからの意味合い出しが教授の妙でした。

c0131701_1456047.jpg能力・地位の多少に関わらず、どの役割でどのような環境にあるのか、つまりどのようなシステムに置かれているのかで、人の行動は自ずと決まってきます。多くの人は自分の置かれている状況を客観的に多面的に見ることができないために、自分の行動が引き起こす結果や副作用(得てして悲劇)を予期できず、結果が起きてからは「これは自分の所為ではない」と訴えます。その通り行動はシステムで実際は規定されているのですが、それに気づかないと、ある自分に不利益な行動をした人に対して、反感を持ってしまいます。そしてそこに肌の色、人種、宗教といった違いが介在すると、差別へと繋がるのです。
教授はアブグレイブの拘置所で米兵がイラク人捕虜を虐待した例を取り上げ、いかに人がある(誤った)システムの中に置かれると、愚かなことでもしてしまうのかを訴えました。

個々人の感情、経験、思想は様々でも、システムによって結果は決まってくる。為政者の施策・法・コミュニケーションで臣下・人民の行動が決まる、と解く韓非子に心酔していた私には、非常に納得のいく、意味深い教授のメッセージでした。非常に面白く、素晴らしい講義でした。


いよいよ来週からは授業が始まります。忙しくなるのでしょうが、気心の知れたチームと共に乗り越えられるでしょう。楽しみです。


* 半導体業界が数年周期で市場が浮沈すること。また、半導体市場に比べ、下流である半導体素材業界、半導体製造装置業界の方が市場の振幅は大きく、位相もずれる(装置のほうが半導体市場を先取りする)
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by flauto_sloan | 2007-09-01 23:47 | MITでの学び(MBA)
Pre-Term
c0131701_2485857.jpg今週はPre-termの授業がありました。9月に正式な授業が始まる前に、基礎的な知識を確認または学習するためのものです。DMD(統計)、Accounting(会計)、MicroEconomics(ミクロ経済)、Finance(ファイナンス)の4教科あり、MITの教授ではなく、ゲスト講師などが授業を行っています。学んだことと、授業の形式はまさにMITらしいものでした。

学んだこと
1. DMD (Data, Models and Decisions)
統計を基に意思決定をするための分析手法を学びます。講師はPh.Dをとったばかりの女性で、確率や統計の基礎をおさらいし、ディシジョン・ツリー(意思決定の場合分けを樹状に展開し、それぞれの場合での結果(投資に対するリターンなど)の期待値を計算して、意思決定に役立てるもの)などを練習しました。
初日は足し算のしかたなど、超初歩的な数学(というか算数)から始まり、かなり面食らいましたが、最後には二項分布や正規分布を取り扱いました。

2. Accounting
これはひたすら仕分を練習。昔に受けた簿記の試験を思い出しました。会計の用語を英語でなんと言うのかの学習にはなりました。

3. Microeconomics
理系だったため、経済学を体系的に初歩から学ぶ機会がこれまでなかったので、いい機会でした。講師はSloanの卒業生で、McKinseyのボストンオフィスで現在働いている人でした。このスペイン訛りの講師がとても面白く、一番の人気授業でした。なんでも、Sloan 2年生のときに”Best TA”に選ばれた人だとか。内容的にも需要供給曲線から、独占、補助金、関税といった内容までカバーし、とてもいいものでした。

4. Finance
この授業は、ファンドのパートナーや、もとモルガン・スタンレーだった人などを3日間で一人ずつ招待し、ファイナンスに関する講義をしてもらうものでした。
スピーカーによるばらつきが極めて大きく、正直言って打率は1/3でした。初日は経済学のPh.Dのあとにモルガン・スタンレーでオプション取引をしていた人で、自分の経験に基づいた含蓄ある授業でした。特に記憶に残ったのは次の3つのアドバイス。
”Finance is hard to escape”: ビジネスをやる以上、ファイナンスは常について回る必要なものであり、また企業も幹部候補生たる者にはファイナンスの理解を期待しているので、しっかりと学ぶべき。
“Don’t be afraid of being confused”: 講師の方はミクロ経済でPh.Dを取ったときに散々頭を悩ませ、その後証券業界に入ったら、また改めて混乱したそうです。悩まない、混乱しないで意味のあるものは学べないし、いつまで経っても、その都度悩んで当然。そういうものだとして勉強すべき。
“Why am I studying this? - Almost everything is useful”: 学んでいる時には「こんなのやっていて意味あるのだろうか」と思うことがあっても、数年後には必ず何らかの役に立つので、信じて勉強すべき。

二日目は早口でお喋りなウォール・ストリートのおじさん。何を言いたいのか分からず仕舞い。三日目はボストンにあるファンドのパートナー。授業もスローで、あまり感銘を受けるものではありませんでした。


授業の形式
授業は教室だけでなく、MITのネットワーク内ならどこでも受けられるものでした。
教室の後ろからカメラで授業を撮影して、リアルタイムでネットワークに放映していたため、講堂に入りきらなかった生徒は隣の小教室でスクリーンを見ながら授業を受けることができました。
さらには、学生寮の共用テレビでもチャンネルを合わせれば見ることができたため、最終日は学校へ行かず、同じ寮の中国人と韓国人の友人と、寮のミーティングスペースで一緒にテレビを見ながら(くつろいで)授業を受けていました。ユビキタス(?)な授業というのが、MITらしいですね…


ともあれ、まずはプレタームを完了。来週はオリエンテーションです。
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by flauto_sloan | 2007-08-25 00:44 | MITでの学び(MBA)