2008年 09月 20日 ( 1 )
NYP/Maazel/Bronfman - 圧倒
米国滞在中に私が最も聴きたかったピアニストの一人、Yefim Bronfman の演奏をついに聴けた。先月感動したアルゲリッチの熱情とはまた違った、嵐のような迫力に満ちた熱情に圧倒された。

ブロンフマンは現役最高のピアニストの一人で、ゲルギエフ率いるウィーン・フィルとしばしば競演している。VPO来日時もラフマニノフの協奏曲3番を弾き、大絶賛されたらしい。春にVPOを聴いたときも競演していたのだが、流石にその日の公演は一番人気であり、残念ながらチケットを取れなかった(その後2回も聴くチャンスを逃していたので、実に楽しみだった)

曲目はラフマニノフの協奏曲第3番。ロシアの大地を思わせるスケール感と、民族的な熱さとが魅力的だ。

いよいよブロンフマンが弾き始めた。1楽章はやや雑な感じで始まり、あまり乗っていないように感じた。だが1楽章のクライマックス辺りから、だんだんとブロンフマンの凄さが表れて来た。

鬼気迫る、とは正にこのことかと思うほど、激しい魂の叫びがピアノを通じてホールに響く。
鮮烈なクレッシェンドと鋭いアクセント。生命力ある、ねっとりとした音色と響き。
オーケストラを凌駕する存在感。雷のように、次々と襲い来る音の嵐。ふと訪れる緊張感ある静寂。

あまりの凄まじさに、ただただ圧倒される。魂を鷲掴みにされて揺さぶられているような感覚。
曲がどうとか、オーケストラとの絡みがどう、といったことが問題にならない*

弾き終わると、会場は総立ちでの大絶賛だった。それだけのことはある素晴らしい演奏。
帰国までにもう一度聴いておきたい、と思わせる巨匠だった。

* マゼールはさすが経験豊富なだけあり、ブロンフマンを自由に歌わせ(叫ばせ?)ていた
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by flauto_sloan | 2008-09-20 08:22 | 音楽・芸術