人気ブログランキング | 話題のタグを見る

MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
メイプル街道にて紅葉狩り
メイプル街道にて紅葉狩り_c0131701_1683950.jpg紅葉の美しさで有名な、カナダのメイプル街道。コロンバス・デイで3連休だったので、モントリオールを中心に紅葉狩りに出かけた。

ケベック州は初めてだったが、紅葉の美しさに加え、フランス文化の影響で美しさと人生を楽しむ豊かさに溢れた街に心奪われた。

モン・トレンブラン
メイプル街道にて紅葉狩り_c0131701_16102892.jpgラガーディアから空路モントリオールに入り、車を借りて景勝地モン・トレンブランへと向かった。メイプル街道をロレンシャン地方のある西へ走ると、途中美しい紅葉が眼前に広がる。

数週間前に同地を訪れたShintaroも書いていたが、ここモン・トレンブランは見事に高級リゾート地として開発され、世界中から観光客を集めている。もう一週間もすれば雪が降り始め、本来のスキーリゾートの顔を見せるらしい。今は紅葉目当ての観光客で溢れかえっている。
メイプル街道にて紅葉狩り_c0131701_16112299.jpg

メイプル街道にて紅葉狩り_c0131701_16114425.jpg今回は街で一番高いところにあるFairmont Mont Tremblantへ宿泊した。天蓋つきのベッドで、欧州の落ち着いたホテルの趣が心地いい。この温かいホスピタリティは、アメリカではあまり出会うことがない類の美徳だ。

ケーブルカーで山の頂上へ上ると、見渡す限りの紅葉と、美しく水をたえた湖を見渡せる。カナダの国旗にあしらわれるだけあって楓が多く、燃えるような紅が広がる。
メイプル街道にて紅葉狩り_c0131701_161239.jpg

山を降りて、紅葉を踏み分けるトレイルを歩くと、美しい木々に囲まれる。
メイプル街道にて紅葉狩り_c0131701_1614193.jpg

足元には、可愛らしい楓の若木が生えている。
メイプル街道にて紅葉狩り_c0131701_16123288.jpg

湖を望むと、水鏡が山々を映し出していた。静かでひんやりとした空気が、木々の美しさを引き立たせる。
メイプル街道にて紅葉狩り_c0131701_16125656.jpg

美しい自然から街へと戻ると、フランス語が飛び交っている。
メイプル街道にて紅葉狩り_c0131701_16171537.jpg

メイプル街道にて紅葉狩り_c0131701_16151252.jpg食事はさすがに洗練されていて、何を頼んでも美味しい。久々に食を心ゆくまで楽しんでいる。
Beaver Tailという揚げパンのお菓子もさっくりとしていてとても美味しい。この味覚の違いは、イギリス文化圏とフランス文化圏の違いなのだろうか。

午後になると、急に人が増えだした。3連休にあわせて、車でカナダやアメリカからやって来た人たちが到着したのだろう。町は一気に賑やかさを増した。

カナダの特産であるメープルシロップを雪の上にたらして、冷やして固まらせて食べるキャンデーを売っていた。子供の頃テレビで見て、いつか食べたいと思っていたお菓子についにめぐり会えて感激。子供たちに混じって琥珀色のメープルシロップをゆっくりと巻きつける。シンプルな甘さがいい。
メイプル街道にて紅葉狩り_c0131701_16165932.jpg

夕食はイタリアンのタパスのお店で食べた。彩り鮮やかな料理は、どれも洗練されていて美味。ウェイトレスの女の子も可愛くて気が利く。食事の質は、北米東海岸でも随一ではないか。

のんびりとした時間が、豊かな自然の中の豊かな暮らしをもたらしているのだろう。


モントリオール
翌朝モン・トレンブランを少しドライブして、モントリオールに戻った。モントリオールの観光は、美しいヨーロッパ風の教会や建物が立ち並ぶ旧市街が特に見所だ。

まずノートルダム大聖堂を訪れた。コバルトブルーに静かに光を放つ大聖堂は、息を飲む美しさ。荘厳さと相俟って、静かで厳粛な雰囲気がある。世界有数のパイプオルガンも美しかったが、残念ながらこの日は演奏を聴くことはできなかった。
メイプル街道にて紅葉狩り_c0131701_16192179.jpg

旧市街の中心地、ジャック・カルティエ広場には、トラファルガーの英雄、ネルソン提督の像が建てられている。子供の頃、この隻眼の提督に憧れていたのを思い出す。
メイプル街道にて紅葉狩り_c0131701_1622910.jpg


郊外にあるサン・ジョセフ礼拝堂は街を睨下に収める巨大な建造物だが、中に入ると現代的な造りであることに驚く。ステンドグラスも現代美術的な色彩感とフォルムであり、概観の重みとのアンビバレンスが面白い。
メイプル街道にて紅葉狩り_c0131701_162339.jpg
メイプル街道にて紅葉狩り_c0131701_16232199.jpg

礼拝堂の裏手にある小さな教会。その昔に、足を病んだ信者の足を直した神父を祭っており、信者が寄贈したと云われる松葉杖が並んでいる。この教会に足を踏み入れた瞬間… 何かを感じた。妻と顔を見合わせる。彼女も「何か」を感じているようだ。
超常現象など信じない方なのだが、本能的に、ただならぬものの存在を感じる。空恐ろしくなり、すぐに教会の外に出てしまった… やはり人知を超えた存在というのはあるのだろうか。

その礼拝堂のすぐそばには、NYのセントラル・パークを設計した人が作ったモン・ロワイヤル公園がある。紅葉がちょうどピークで、歩いていて楽しい。展望台まで進むと、新市街・旧市街とも一望できた。手前には燃えるような紅葉、その先には高層ビル、あなたには石造りの旧市街。自然と調和し、歴史を重ねつつも発展しているモントリオールの街を感じられた。
メイプル街道にて紅葉狩り_c0131701_1624356.jpg


最終日は午後の便だったので、パリにあるかのようなカフェでブランチを楽しむ。あやの雨ではあったが、エッグ・ベネディクトが絶妙で素晴らしい。
メイプル街道にて紅葉狩り_c0131701_16245814.jpg


メイプル街道にて紅葉狩り_c0131701_16252356.jpgモントリオールの美しさ、人々の生活の豊かさ、食事の美味しさとで、妻はこの地をすっかり気に入ってしまったようだ。冬場は雪に閉ざされる街ではあるが、長く住むならこんな街もいいだろうな、確かにそう思わせる街だった。住むにはフランス語が必要だが。
by flauto_sloan | 2008-10-13 12:51 | 旅行
<< アイスランドに学ぶ 2008年度ノーベル賞 >>