MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
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大虐殺を越えて - ルワンダ・カガメ大統領
c0131701_813981.jpg昨日(ボーゲル先生の講演C-functionの間)、ルワンダのカガメ大統領の講演会へ行ってきた。MITのCompton Lecture Seriesにて招聘されたもので、こちらでその様子を映像で見ることができる。

ルワンダ内戦にてツチ族とフツ族が争い、100万人のツチ族が虐殺されたと言われる。内戦平定後、ルワンダで初めて民主的に選ばれたのがこのカガメ大統領だ。

大統領は落ち着いた、語りかけるような口調で、アフリカの成長におけるテクノロジーの貢献と今後の課題を述べた。軍人であるにも関わらず、親しみや優しさを感じる人物だった。様々な評価はありながら95%の得票率で再選したのは、紛争に疲れた国民がこの人物に信頼を寄せているからかもしれない。
アフリカはもはや暴力と貧困だけの大陸ではなく、機会に満ちた大陸である。今や金融、エネルギー、テクノロジーなどの産業が、自国の企業を育てながら成長している。ルワンダは虐殺から14年を経て、ようやく平和を取り戻し、民主主義や前進を考えることができるようになった。今や中国、インド、中東湾岸諸国から直接投資が盛んに行われ、経済は年7%で成長している。

その成長においてテクノロジーが果たしている役割は大きい。MITのネグロポンテ教授が推進する"One Laptop Per Child"や、携帯電話の普及は教育の向上や地元経済を成長させる原動力となっている。特に携帯電話は普及率で固定電話を抜き、アフリカの携帯電話史上は世界一の成長性を持っている。国を跨いだ携帯電話会社が誕生しており、普及を促進させている。その結果、インターネットの普及は世界の3倍の速さで進んでおり、その利用によって産業の効率化と成長に大きく寄与している。多くのマイクロ・エンタープライズが携帯電話を活用して誕生している。

今後必要なのは科学技術の教育である。ルワンダ自らがイノベーションを起こし、資源を活用して富を築いていくためには、質の高い教育が必要である。アメリカの教育システムから学ぶものは多く、またアメリカの教育機関に期待するものも多い。

今後まだまだルワンダとアフリカが直面する課題は多い。それを乗り越え、その先の繁栄を実現するためにも、MITとの関係を今後も深めていきたい。

(中国などの進出をどう考えるか、という問に対して)
たしかに中国はアフリカの資源を狙って、アフリカでの支配力を強めようとしていると言われている。だが彼らはアフリカを初めて台頭に扱ってくれている国々であり、欧米の反発はアフリカの重要性が増したことを物語っている。だから中国が悪いとは思っていない。

中国の進出が問題になっているが、そもそもアフリカはこれまで様々な欧米の列強に支配されてきた。中国は国際的に人権問題などを批判されているため、アフリカ進出に対しても穿った見られ方をしているのだろう。アフリカにしてみれば、中国やインドは自分たちをパートナーとして対等に扱ってくれている。これは初めてのことで、哀れみの対象としか見ようとしなかった欧米からは受けなかった扱いだ。

また、アフリカをめぐって欧米と新興国が衝突していると言うのは、アフリカの重要度が以前にも増して認識されているということを意味している。単なる資源の産出地ではなく、投資や成長の機会の地として看做されていることを示しているのだ。

中国などがやってきて、こちらが何もしないで眠っていれば、身ぐるみ剥がされるだろう。だが起きて目を見開いていれば、そんなことは起きない。我々はただ、彼らを歓迎するだけだ。
この地で肌身に感じるものの一つに、アフリカへの注目と期待の高まりがある。以前マクロ経済の授業でも感じたが、アフリカ出身の人々は苦しい過去や直面している課題を理解した上で、自分の大陸に対する誇りと期待を強く持っている。

以前アフリカの夜という集まりでも、今後のアフリカの課題と機会について議論した。自分がどこまで関われるのか分からないが、大きな時代の潮流の一つであり、考えさせられるものが大きい。
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by flauto_sloan | 2008-09-18 22:49 | MITでの学び(非MBA)
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