MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
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Ezra F. Vogel教授講演会 - 日本よ自信を持て
c0131701_5325175.jpgハーバード松下村塾でお世話になっている、ハーバードのエズラ・F ・ボーゲル名誉教授にJapan Clubのゲストスピーカーとして講演を行っていただいた。ボーゲル先生の高名と人徳とで、スローンだけではなくMIT全体、さらにはハーバードやBUなど他校からも聴講に来る盛況ぶりだった。

言うまでもなく、ボーゲル先生は1979年出版の"Japan As Number One"で日本の社会・経済システムの強みを分析し、アメリカは見習うべきだと提言した慧眼の持ち主である。今でも頻繁に日本や中国へ行き来し、政治家、経営者、官僚など各界のリーダーと交流し、尊敬を受けている大人物だ。

講演は "How Japan Works Without Political Leadership" と題したもので、安倍・福田と続けて首相が突如辞任した中で非常に時宜を得た内容だった。
4年2期の米国の大統領に比べ、日本では頻繁に総理大臣が入れ替わる。それでも国家が安定して運営されるのは、協力で優秀な官僚が支えているからだ。社会が変遷する中で、官僚を以ってしても解決できなかった問題が顕在化してきており、政治家や国民の批判にさらされている。官僚に変化や改革は必要だろうが、リーダーシップの不在にも対応できる優れた機能は過小評価すべきではない。

ただしリーダーが不要なわけでは決してなく、むしろコミュニケーション能力が高く、国際的にリーダーシップを発揮できるリーダーの必要性は依然高まっている。特に、自分の考えを英語で公の場にて表現できる能力は必須である。小泉首相以降、よいコミュニケーションができないリーダーは無能だと見做される風潮が出来上がってしまったため、政治家を初めとしたリーダーには高い対話能力が求められる。

経済に目を向けると、日本は自信を失ってしまっているが、いまだに日本は素晴らしい国だ。「失われた10年」と言われるが、経済成長や利益水準だけで「失われた」と断じるのは誤りである。日本にはまだ、細部への拘り、高い品質管理、優れた教育水準といった世界に冠たる資質・資産がある。

ただし製造業ではそうした美徳が効果的だが、サービス業に於いては世界に劣後してしまっている。サービスにおける日本のブランドや存在感を増すと共に、外国からの人材を惹き付け、維持し続ける努力が必要だ。
ボーゲル先生は何度も「私は日本のファンだ」と仰った。その愛情と期待が、これまでの研究成果と様々な経験・交流に裏打ちされる鋭い洞察を通じて参加者にも伝わってきた。日本を見直し、元気付けられる素晴らしい講演だった。
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by flauto_sloan | 2008-09-17 14:29 | Guest Speakers
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