MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
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価値観が変わる苦しみ
Vogel塾や友人との議論、様々な講演会、授業を通じて、この一年間で視点や価値観が大きく変わった。だがそれ故の苦しみに最近は悩まされている。

ボストンに来て間違いなく、世界規模での課題が何で、それについてどう考えるのかについて視野は広がった。が、所詮殆ど真剣に考えたことがなかったところからの一年間の学びであり、まだまだ何も知っていないということを日々学んでいる。マクロ経済、政治、貧困、腐敗、人権、紛争、環境問題と、複雑に絡み合う問題が何故生じ、何故解決できていないのか。何ができうるのか。残り一年、さらに学びを深め、自分にできることとできないことを見極めたい。

そうして世界を少しずつ知る中で日本を考えると、日本にいた時に比べて批判的に評価ができるようになった。ビジネススクールでの日本の取り上げ方は、経済規模に比べ小さく、正鵠を射ていないこともある。何故そういう扱いなのだろう。経済が構造的にがんじがらめになって成長できないでいる15年で、世界が日本に政治・経済でのリーダーシップを期待しなくなったことと、トヨタ・キヤノン・ホンダ・ソニー・任天堂といった、世界を席巻するビッグプレーヤーが殆ど新たに登場していないことが大きいのだろう*

ただ一方で、日本にはまだまだイノベーションの力があり、素晴らしい技術が眠っていることも知っている。だがそれは眠らせていては意味がなく、揺り起こして世界を震撼させなければならない。日本にいたときは、この埋もれた宝に過剰な期待(感情的であり非合理だった)をしていたが、ボストンというベンチャーの一大拠点に身を置くと、技術を形にしてリターンを得ない限り、人類から忘れ去られる技術や特許の一つでしかなくなるのだ、という当たり前だが客観的な見方ができるようになった。

これらの素晴らしい学びは、あまりに激しく急激に襲いかかってきて、自分の中でパラダイム転換を起こしている。価値観が大きく揺さぶられ、これまでの知識や経験を再評価させられ、自分の知恵や能力のなさに辟易する。非常に苦しい。

興味を発散させすぎてしまったのだろうか。最近では授業なり課外活動なりで自分が率先して活躍できる場が少ない、というよりも自分に自信が持てなくなってしまっている。自信がなくなると学びも少なくなり、友人も減って良いことなどなにもないのだが、この悪循環に入る前になんとか自分のバランスをとらねば、と思う。

そのため、学ぶものは世界や日本でありながら、気にしているものは自分自身という、統合しにくい状態になってしまっている。幸いにも、もうすぐ夏休みであるので、一度自分自身の再構築に時間を割いてみたいと思う。それによって、世界と日本を学ぶ効率や意欲が増すことだろう。


* ニッチプレーヤーや部材・部品メーカーなどでは世界を席巻したメーカーはあるのだが、認知度とあわせるとなかなか少ない
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by flauto_sloan | 2008-05-06 04:22 | Mens et Manus
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