MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
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Levine/BSO - Mahler 『大地の歌』
c0131701_4394438.jpgBSOの今シーズンの公演も終盤になり、今日はマーラーの「大地の歌」がレヴァイン指揮で演奏された。今シーズン3度目のBSOのマーラー。巨人はよかったが9番はひどい出来であり、9番の前に書かれた「大地の歌」はどちらかといえば9番のように失敗するのではないか、と懸念していた。

だが、そんな心配は大方裏切られ、なかなかの名演だった。まず、オーケストラが非常に調子がよい。キーシンとのレコーディングで波に乗ったのか、弦楽器も管楽器もいい音を出している。特に木管楽器が絶好調で、フルート、コールアングレ、クラリネットと美しく諧謔味溢れる表現で楽しい。

レヴァインの指揮は適度に抑制されていたが丹念に響きを作り、終楽章まではあまり東洋趣味に陥らず、明るい音色でバランスが取れた、アメリカ的演奏のプラス面がよく出た演奏だった。


ただ一方で、歌の二人がかなり足を引っ張った。テノールは代役だったために仕方がないとはいえ、硬さのため声の張りがなく、オケとの呼吸も今ひとつ合わない。だんだんよくなったが、1楽章の最初がオケに埋もれてしまっていたのは残念だった。

メゾ・ソプラノのオッターは、評価が高いベテランだったので期待したのだが、どうも声の伸びが今ひとつでしかも音程が悪い、しかも速いパッセージが歌いきれていない。4楽章ではテンポについていけず、メロディーにもなっていないひどい歌い様だった。最終楽章では持ち味と曲想が合い、素晴らしい出来となったが、全体としては不満で、観客からはブラボーとブーの入り混じった評価が飛んでいた。


とはいえ、最終楽章のコーダに入る盛り上がりなど、背筋がぞくぞくする程美しかった。「永遠に…」の歌詞が繰り返され、消え入ると、残された永遠を自らに取り込むがごとく、観客は静寂を保っていた。長い静寂の後にレヴァインがタクトを下ろすと、万雷の拍手。
恐らく歌手が違ったら、相当の名演だっただろう。そこが惜しい。


今シーズンのBSOは、ベルリオーズ作のオペラ「トロイヤ」が演奏会形式で2夜に亘って行われるのみ。ベルリオーズは個人的にあまり好きな作曲家ではないのと、このオペラ自体知らないので、個人的に楽しみにしていたBSOの公演はこの「大地の歌」が最後だった。

非常に充実したBSOシーズンだった。日記には書かなかったが、ヨーヨー・マの激しく面白い演奏や。イツァーク・パールマンの悲しき老残など、非常に盛り沢山で素晴らしい音楽経験だった。来シーズンは小澤征爾が久しぶりにBSOを振る演目もあり、BSOが小澤のタクトでどう変わるのかを聴くのも楽しみだ。まずは夏のタングルウッド音楽祭が楽しみで仕方ない。
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by flauto_sloan | 2008-04-17 22:03 | 音楽・芸術
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