MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
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三谷先生との意外な出会い
縁は異なもので、人を知るのに機会は問わない。

ハーバードのイェンチン研究所を訪れている、東大教養学部の三谷博先生とは、先月のMetropolitan Opera "Tristan und Isolde"の公演の幕間に声をかけられ、知己を得た。ボストンは狭いですからそのうちお会いするかもしれませんね、そう言っていたら一ヶ月も経たないうちにお会いすることができた。

Vogel塾の門下生から勉強会の案内が回ってきたので目を通すと、なんと三谷先生の主催ではないか。さっそく参加した。内容は日本における"public sphere"について。横井小楠に代表され幕末に興隆した「公議公論」の考え方が、日本においてどのように何故生じたのかを、歴史的背景から論じる。後半になると、民主化することと自由があることは同時に為しえなければならないのか、といった議論が中心となり、非常に面白くなった。

日韓中から成る15名ほどの教授と学生が、意見を出し合い、時には比較文化で共通性を探り、時には強い批判を行う。こういうコアな文系ゼミは生まれて始めて参加するため、議論の進め方に少々戸惑った。だがこれもボストンで学生ならではの経験。

ゼミ後の懇親会で、三谷先生と個人的にお話ができた。先生のブレークスルーは40歳の時、単身インドで研究をした時だったという。とにかく何か主張し、存在感を高めないと潰されてしまう文化とプレッシャーとの中で、マインドセットが大きく変わったそうだ。積極的に批判することは、実は相手を助けることになるのだから、どんどん主張し議論を戦わせる。そうするとお互いに認め合い、建設的な関係につながっていく、と仰っていた。

さらに、日本にいると兎角「日本特殊論」が持ち上げられがちだと憂慮されていた。日本特殊論は、海外の日本への関心を失わせ、プレゼンスの低下に繋がる。むしろ何が共通であり必然なのか、日本からの学びの何が他国でも再現性があるのかを科学的に分析することが重要だ、と熱く語られていた。

非常に納得すると共に、40歳でのブレークスルーという言葉に励まされた。まだまだ一皮も二皮もむけるチャンスはいくらでもある、と。非常に教育に熱い方であり、是非またお会いしたいと思う。次はコンサートホールでかもしれないが。

ボストンにいる日本人は非常に素晴らしい方々が多い。日本では出会うことがなかったであろう人たちと出会い、しがらみや身分から自由な地で、本音で語り合える。改めてボストンで学ぶことの贅沢さを実感した。
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by flauto_sloan | 2008-04-11 18:59 | Harvardでの学び
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