MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
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無痛分娩とPC
今日は私が幹事をしているボストン日本人研究者交流会があり、100人超という過去例を見ない大盛況だった。

講演はMGH(マサチューセッツ総合病院)の麻酔科の先生による「無痛分娩」についてと、東芝からMITメディアラボへビジティング・リサーチャーとして来ている方による「ノートPCについて」であった。特に前者の無痛分娩がボストンの日本人奥様コミュニティで評判になったらしく、個人やご夫婦で参加される女性が多く、中には妊婦さんも何人か見えていた。

無痛分娩と麻酔医
無痛分娩はアメリカでは150年の歴史があり、今や6割の妊婦が所謂無痛分娩を行っている(残りの4割の大半も、なんらかの無痛法を行っている)。一方で日本はわずか1割しか行われていない。

この差は妊婦側、医師側双方に理由がある。日本の妊婦には、無痛分娩をそもそも知らない、知っていても誤解している、胎児への影響や帝王切開の確率増加など医学的に否定されているリスクを過大視している、「お腹を痛める」ことへの拘り、といった理由が挙げられた。

一方で日本の医師側には、無痛分娩への十分な理解が足りない、訴訟リスクの増加への懸念、さらには構造的・慢性的な麻酔医師不足が挙げられていた。

専門性が高い麻酔科医は、米国に比べて日本は圧倒的に数が不足している。大病院であろうと無痛分娩が安心して行える、専門麻酔科医がいるところはまだ日本では少ないし、件数も少なく、これからの整備が必要であろう。

先生によれば、無痛分娩は(多少のリスクはあるものの)負担が少なく安全な出産の方法だという。出産直後に笑いながら赤ちゃんを抱く母親の写真が印象的だった。
我が家は…するなら無痛分娩だと思った。まだ予定はないのだが。

美しさと複雑さ
PCについては、ライフサイクルの早いPCでのプロダクトマネジメントの複雑さと大変さ、そして結果として世に出る製品の素晴らしさが伝わってきた。

デザインが製品価値に占める割合が増大する中、いかにデザインコミュニティとの結びつきを強くするかが重要になってきているのを感じた。細かいプロダクトマネジメントに関しては、かつて行っていたプロジェクトで似たようなものがあったため、苦労が偲ばれる。

何より、製品への愛情と情熱が伝わってくる。やはりこれからの製品やサービスの設計には、合理的な判断は是とした上で、デザイン的な美しさと、デザイナーの情熱が重要だと改めて思う。合理性と非合理性の止揚に新たなビジネスがあるのだろう


どちらも有意義で面白い発表だった。参加者が多かったため、その後の懇親会もいつも以上の人が来て、様々な話で盛り上がったどういうトピックで、どういうコミュニティへ訴求すると効果的かがわかり、今後の参考になる。

この交流会で幹事をやっていると、多くの日本人と接点が持てて面白いし、何より日本にいたら聞けなかったような様々な話が聞け、視野が広がり面白い。幹事をやってよかったと思える会だ。

ボストン在住の日本人の方、手前味噌だがお勧めなので、ぜひご参加を。
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by flauto_sloan | 2008-03-15 12:28 | ボストンでの生活
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