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MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
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マクロ経済・アフリカ - そのために私はここにいる
風邪を引いていまったのだが、這うように登校し、マクロ経済の授業に出た。
今日はりごぼんではなく、ケニア出身のSuri 助教授。テーマはアフリカの開発について。

世界中からアフリカへはお金が流れている。世界銀行などの国際金融機関、各国の直接援助、債務放棄、草の根の募金やNGO活動等々。だが何がアフリカの開発に貢献し、何が貢献していないか、アフリカの開発では何が問題で、何が成功につながるのかを議論した。

よい政策を行っている国々へ向かう援助は、大きな成果を挙げる。だが貧しい国々は得てして政策も拙く、成果は上がらず支援も減り、ますます窮する。マクロ経済的なアプローチは必要だし重要だが、越えるべき課題は多い。

では今最も期待されるアフリカの国々の成長のドライバーは何かといえば、民間企業が伸び、活力をもつことである。マイクロファイナンスやマイクロクレディットがそれらを後押しする。さらにはゲイツ基金やGoogleの基金(営利目的であるところが斬新)も大きく寄与している。

だが、なぜウォール・ストリートの金が回らない?

授業残り5分でその議論になったとき、アメリカ人のB君が
「だってアフリカでは民間企業が充分に育っていないから、投資しようにも投資先がないだろう」と発言した。

ガーナ出身でチームメイトのK君はそれを聞いて大きく眼を見開いた。
「ちょっと待て。聞き捨てならない。
アフリカには多くの民間企業が成長している。私のいた商業銀行は、ガーナに金融市場を小さいながら作り出し、多くの企業の成長を助けている。中には大きな企業も生まれており、ガーナの生産性が非常に改善し、国全体の成長に結びついている。

ガーナだけでも投資機会は充分にあるし、アフリカ全体は投資機会の塊だ。

でも何故ウォール・ストリートからお金が回ってこないのか。理由は二つ。
一つは、純粋にアフリカへの無知。知らなければ投資しようがない。
もう一つは、過剰なリスク忌避だ。アフリカを知っていても、本当のアフリカを知らないから、リスクを過大評価して投資できていない。

だが現実を正しく知ってもらえれば、その判断は変わる。
そのために私はここにいる!


その力強い言葉とクラスからの賛辞で、アフリカの授業は終わった。
by flauto_sloan | 2008-03-07 17:24 | MITでの学び(MBA)
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