MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
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履修課目
授業を二つ落とすことを決めた。この2年間は学校の内外で学びに専念することを掲げていたのだから、それなりの決断だ。

理由は、授業の取り過ぎで身体的・精神的に持たなくなったから。二週目で早くも疲労が蓄積し、やる気が大きく減退してしまった。回りに迷惑をかけ始めたので、ここらで一時撤退し、形勢を立て直す。

そうして残したのは以下の授業。


15.012 マクロ経済学 Applied Macro & International Economics
先日紹介したクレイジー・プロフェッサーのRigobon教授と、その同僚のケニア人講師のSuri 教授が教鞭を執る。マクロ経済を基本から、ケーススタディを通じて説明していく。マクロ経済は全く以って初めて学ぶ学問分野であり、教授の面白さ、ケースの面白さと相俟って非常に楽しみである。
また、秋学期に開港される予定のForbes教授(史上最年少で大統領の経済顧問となった女傑。今年はサバティカルだった)の授業の履修条件でもあり、落とせない。

15.025 ゲーム理論 Game Theory Strategic Advantage
いつも笑顔のAdams教授が教える。ミクロ経済学で基礎を紹介されたゲーム理論を、より新しい理論と実践とを通じて学び、ビジネス上の戦略や意思決定にどう活かすのかを議論する。
毎回授業前日にちょっとしたゲームが出され、その結果が授業中に示される。例えば、Beauty Contest と呼ばれるゲームは、「クラスの全員が0から100までの数字を書く。全体の平均に3/4を掛けた数字に最も近い数字を書いた人を勝者とする。さてあなたはどの数字を書くか」という問題である。理論上は0が正解であるが、それはクラス全員が等しく合理的に考えて行動した場合の話。現実は問題を読み間違える人や、Stackelberg均衡が正解だと知らない人もいる。その結果クラスには様々なレベルの非合理な回答が書かれる。結果は14.9であった。私は3と書き、クラスの人の合理性を過信していた(笑)
このようなゲームに加え、授業中にもゲームが出され、限定合理性や情報の非対称性の下で人々が実際にどう行動するか、その理由は何かを考える。実用的な授業で面白い。

15.223 グローバル・マーケット Global Markets, National Policies, and the Competitive Advantages of Firms
中国人のHuang教授による国際経済の授業。同じ教授でインドと中国の経済に特化した授業が後半にあるため、このクラスではその2国以外をケーススタディで取り上げ、マクロ経済の観点から、なにが課題で、何故その課題が生じているのか、どう解決すべきかを議論する。
古くて新しいグローバリゼーション(世界が最もグローバライズされていたのは、第一次世界大戦後だった。その背景には植民地があったが)について、最新の知見を得るいい機会だ。
参加者に留学生の割合が高く、様々な価値観から面白い議論が展開される。

14.137 経済における心理学 Psychology for Economics
経済学部のPh.D向けの授業。ただし履修条件はなく、学部生や他校の生徒も受講している。教授は心理学でPh.Dを取ってから経済学に移ったPrelec 教授で、最近脚光を浴びている行動経済学のトピックを、より心理学的なアプローチで解説する。
アカデミックではあるが、ゼミ感覚で面白い。MITのPh.D生とも知り合う機会だ。

課目を落とすと決めるまでは、今学期の取得可能単位数が上限に達していたので、オーディット(聴講のみ)にしてもらった。尤も、履修しようにも「経済学部のPh.Dと点数を争うのは賢明じゃないだろう」と言われてしまったが。
従って、完全に興味本位で、軽い気持ちで学ぶことにした。

15.402 ファイナンスⅡ Finance Theory Ⅱ
スローンの名物教授、P.Asquith教授が教鞭を執る超人気クラス。彼は以前肋骨を折ってしまい、その後遺症でずっと立っていることができない。黒板の前に布団を敷き、床から授業をする。板書はTAが行う。と、形式だけ書くと学びにくそうに思えるが、これが非常に明快で分かり易い。さすがは生徒の投票による Best Teacher Award を何度も取っているだけある。
内容はコーポレートファイナンスで、企業が市場の不完全を利用してどうお金を調達し、投資し、キャッシュを切らさないかを取り扱う。MBA取得者に当然のように求められる知識分野でもある。

15.760 オペレーション入門 Introduction to Operation Management
スローンが誇るオペレーション・マネージメントの理論の基礎編。フランス人のGallien教授はDellやZaraのサプライチェーン最適化の委託研究を受ける程の実力と名声の持ち主で、授業も熱心で分かり易く、面白い。
授業はTOCなど、オペレーション管理の基礎を学ぶ。「ザ・ゴール」の読書感想文も宿題に含まれている。
私はオペレーション管理は仕事で何度かしてきたが、解くべき課題に応じて学んだので、知識に非常にムラがある。基礎から積み上げて学ぶのは非常に役立つし、内容もケーススタディとモデル作りがバランスよく配分され、役に立つ。結構ワークロードは重いが、楽しみである。


そして離脱したのは以下の二つ。

15.571 IT戦略 Generating Business Value from IT
MITの別の強みであり、Business WeekなどのMBA比較では常にトップであるIT Strategy 系の授業。SIPでも受講した。教授はCISRというMITのIT研究グループを立ち上げたWeill 教授。
毎回ケースを取り上げながら、どうすればITを企業価値創造に活かせ、どうしたら「動かないコンピュータ」状態になるのかを議論していく。参加者は自然と、プログラマからITコンサルタントまでIT系の経験を持った人が大半。議論も活発で学びも多い。
途中何度かゲストスピーカーを呼び、eBayのCIOなども来る。
2月終わりに、セブンイレブン・ジャパンのケースがある。かつて在籍したNRIからの学生と教授とで書いたケースで、教授曰く「これまで見てきた中で最も面白く、ITを効果的に利用している企業」だそうだ。
ワークロードは軽いのだが、思ったほど興味が沸かなかったのと、その他色々とで離脱。


15.900 戦略論 Strategy Management
所謂企業戦略について、様々なケースを用いて学ぶ。異常にマッチョなStuart教授は、HBSで教えた後、現在はコロンビアGSBに所属している客員教授である。
戦略系コンサルティング・ファームと呼ばれる会社で5年修行した身としては、新たに学ぶものは、他の課目ほど多くはない。参加者が少ない朝8:30のクラスなので、クラスメートからの学びも限られそうだった。来年の Rebecca Henderson 教授の人気授業 “Advanced Strategy” の履修条件なのだが、その受講のためにかけるコストとしては重過ぎるので、離脱。


・・・これで少しは元気になって、楽しく春を迎えなければ。
尤も、単位数の大きい通期授業を二つも落としてしまったので、後半で授業を追加しなければならなくなったが。
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by flauto_sloan | 2008-02-14 05:38 | MITでの学び(MBA)
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