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MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
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Cancun (4/4) - Temazcal
WestinSpaにある、Temazcal (テマズカル、テマスカル)というプログラムを受けました。Temazcal 自体は石でできたサウナなのですが、そこへ入る前には身を清め、入っている間はシャーマンによる祈祷に参加する、という宗教儀式を体験できました。
生まれて初めてのトランス体験、そして文字通り生まれ変わった感覚はとても不思議でした。
Cancun (4/4) - Temazcal_c0131701_1421109.jpgTemazcal はマヤ文明に伝わる儀式で、人間が纏う様々な仮面を剥ぎ落とし、母なる大地と聖なる太陽(炎)の交わる石室(大地の子宮を表す)に入り、先祖代々の知恵と、世界を構成する四大元素とで自分を再構成することで、新たな自分に生まれ変わります。

仮面を剥ぎ落とすため、まずは顔に泥を塗ります。
すると(泥パックになるため)顔が動かなくなり、様々な仮面(プライド、責任、役割…)を纏うことで本来の自分が表れなくなっていることを自覚します。
その泥の仮面を一気に洗い落とし、素の自分に戻ったところで石室に入ります。

石室の中では、シャーマンが焼かれた石を中央に置き、呪文と共に水をかけ、部屋を蒸気で満たします。
シャーマンが色々な訓話をし、途中からは様々な祈りをこめて、参加者全員で呪文のような歌を斉唱します。
20分くらいを1セットとし、全部で4セット行ったのですが、3セット目あたりからはもう、暑くて汗だくです。

そして終盤、不思議な体験をしました。
石室の中は一切光が届かない暗闇で、見えるものは燃える石のみです。
その炎も、水をかけられてだんだん弱まり、最後は完全な闇になります。
暑い蒸気が満ち、頭もぼんやりし、肌感覚も鈍ってきます。

視覚も触覚もない中、聴覚は石室に木霊する自分達の歌声のみ。どんどん歌はピッチが上がり、歌う方も必死に、ただに歌います。
いつしか意識がなくなる、というか自分の肉体と意識が分離して、肉体はただひたすらに歌を歌い続けているような感覚に陥りました。いわゆるトランス状態、というものでしょうか。

そんなトランス状態が終わり石室から出ると、急に活動を再開した視覚が鋭敏になり、満天の星空の一つ一つの星の輝きが、かつて無いほど鮮明に眼に入ってきました。
空気も肺の奥深くまで染み込むようで、確かに生まれ変わった感覚でした。
2時間近い儀式(やや苦行)でしたが、終わったときの新鮮かつ神妙な感覚は得難いものでした。

そこで、脱ぎ捨てた仮面を初めて見てみました…
by flauto_sloan | 2008-01-07 13:53 | 旅行
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