MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
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HBS訪問
c0131701_16483380.jpg水曜に、Harvard Business School に通う ryuhei さんの案内で、HBSの授業を見学してきました。生徒の間にアグレッシブな緊張感がありながら、みな楽しげであることと、その生徒の意見をorchestrate する教授の卓越した技量に感心し、たった80分でしたが、学ぶものが多い実りある見学でした。いい刺激を受けたので、Sloan の授業での発言も意識的に変えていきたいと思います。


授業での発言が成績の大半を占めるほどケーススタディで有名なHBSでは、どんな議論が生まれているのかと、ずっと興味を持っていました。来年には授業も取ろうと思っています。そこで先日のMBA交流会でryuhei さんに、見学の案内をお願いしたところ快諾してもらえたため、授業のない水曜の午後に訪問しました。

見学したのはTOMという、製造業におけるマネジメントに関する授業で、CISCOERPを導入して成功したケースを題材に、なにがその成功の要因なのかを議論する回でした。教授は有名な上に、教え方に定評がある人気教授だそうです。
私は授業の始めにゲストとして紹介され、少々気恥ずかしいながら拍手で迎え入れられました。

始めに教授が講義形式で「ERPとは何か」を説明してからケースに入りました(これは珍しいことで、普段はすぐにケースに入るそうです)。興味深かったのは、生徒の一人でERP導入に関わった経験のある人が、途中でスライドを使ってERPについてプレゼンテーションを行ったことです。ここまでのparticipationがあるのか、と驚きました。まさに生徒同士で学ぶ環境の最たるものです。


ケースの議論が始まると、話に聞いていたとおり、みな積極的に挙手をして発現していきます。Sloanのケースと比べて、手の挙げ方、発言の構成、生徒間のインタラクション、とそれぞれにケースの議論を深めていく工夫があることに気づきました。

手の挙げ方は、みな個性があり堂々と挙げています。ここぞという時には教授にアピールできるよう、手の上げ方を工夫しているそうです。私が座った列にいた人は "Statue of Liberty award" を受賞したらしく、確かに自由の女神さながらに堂々とまっすぐに手を挙げていました。

発言の構成は、credibility → idea → experience というものが多いように見受けられました。非常に説得力のある発言を持つ構成です。
まずは、議論されている内容に関して、「自分はXX社で○○の仕事をしていたが…」とcredibility を明確に述べることで、周りに聴く気を起こさせると共に、発言内容の正当性を担保します。
次に「私は△△の言っていたことに反対で、・・・だと思う」とidea(主旨)を述べます。今回は少なかったですが、議論が対立するときは旗幟を鮮明にします。
そして「…をした時に、XXという問題が起きた。これは・・・が欠けていたからで・・・」といったような、過去のexperienceを語って、主旨をサポートするとともに、クラスメートに自分の経験や判断を追体験する機会を与えます。

そして生徒間のインタラクションが活発に起こりました。「・・・の意見に加えて、」というようなbuild-on が多く、議論を通じて問題の掘り下げ、あるいは多角化が行われます。Sloanでも散見されるのですが、頻度に差がありました。


そして生徒以上に素晴らしかったのは、やはり教授でした。
Facilitate する、というレベルではなく、クラスを orchestrate していました。つまり、単に手を挙げている人を指していくのではなく、教授が描いている構成に大枠で沿って授業が進むように、生徒の考えや発言を引き出し、最終的に教授が伝えたいメッセージに持っていきます。

そのため、洞察の深い意見や授業内容を膨らませる発言に対しては、教授がsynthesizeしたり質問を聞き返したりして、もう一段深い意味合いを引き出しています。
一方で授業を進めるべきときには、手が挙がっていても容赦なく(?)次のテーマに進みます。
さらに時折cold call (名指し)をして、常に授業に緊張感を持たせます。

これらの結果、教授はさながら、ケースという楽譜をもとに、生徒というオーケストラの各プレーヤーが奏でる個性的な音色をとりまとめ、鮮やかな色彩や強弱のコントラストを引き出す名指揮者の如くでした。


Sloanの授業のように、勉強する内容が明確で、手と頭を動かして身につけていく授業も面白いのですが、HBSのケースも大変に魅力的でした。せっかく同じケンブリッジですし、やはり来年あたりにHBSの授業を是非履修しておきたいと思います。
Ryuhei さん、ありがとう!
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by flauto_sloan | 2007-11-15 23:57 | Harvardでの学び
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