MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
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Glocalization
c0131701_3222560.jpg先週の火曜のお昼に、仏食品メーカーのダノンの米国CEOである、Juan Carlos Dalto氏が講演をしました。

氏はここ2年で大ヒットを引き起こしたヨーグルトActivia と、飲むヨーグルトDanActive がどのように生まれたか、そしてそこから学んだことを話しました。
重要なことはpragmatism, avoiding NIH, be glocal の三つだそうです。

1. Pragmatism
Activiaの成功は、なにが消費者が本質的に求めているのかを突き詰め、そこから導き出した商品を信念を持って世に出す、という基本にいかに忠実であり、科学的に行うか、ということにありました。
Activiaは、マーケットリサーチの結果を通して、いかに毎日食べ続けられて健康に効果のある食品を作るかを考えた結果、ヨーグルトに帰結したのですが、その後も感性に頼りすぎず、科学的調査や科学者からのお墨付きを得ることに奔走しました。社内からはこんなものは売れないとの反対もあったようですが、科学的データと信念とから貫き通し、成功したそうです。
とはいえ、日本でも特保商品では似たような、科学データを組み合わせたアプローチをとっており、このメッセージ自体は日米の差を感じませんでした。

2. Avoiding NIH (Not Invented Here)
フランスの会社であるダノンは、米国との間に Not Invented Here (うちで作ったものじゃない) シンドロームとも言える軋轢がありました。そのため、Activiaをグローバルに展開しようとしたときに米国ダノンが快く受け入れる状況にはありませんでした。
そこで氏は「何が本当の目的か」を問うと共に、「文化や社会の中心となるものは、必ずしも自分たちが造ったものでなくて良い」ことを知らしめるため、

フランス生まれのアメリカの象徴 = 自由の女神
アメリカ生まれのフランスの象徴 = エッフェル塔

を取り上げて説得した結果、アメリカやフランスにこだわらず、グローバルに取り組もうという合意に達したそうです。

3. Glocalization
以上のNIH対策から、グローバルな取り組みを志向したのですが、CMなどローカルな取り組みが必要なものはローカルに、という Glocalization = Global + Localization のすすめをしていました。


感想
NIHシンドロームは、日本の製造業の更なる成長のためには大きな障害になると思います。ここをどう乗り越えるか、いかに技術や研究開発でアウトソースやオープン化できるところを見定め、他力を借りていくのかが、技術が複雑化・多様化し投資が級数的に増大する中では肝要だと思っています。
今回のダノンのケースでは、文化・アイデンティティに訴える形で成功しましたが、消費財ではないハイテク製品などではどのように説得していくのか、依然今後の課題であり、一つの刺激になりました。

c0131701_4145884.jpgちなみに、ダノンらしく、講演会では Activia と DanActive が沢山振舞われました。
Activiaはアメリカにしては小さめで高いので、質問で
「なんでこんなに小さくしたんですか」
と聞かれて、氏は
「残念ながら、これが世界標準です」
と答えていたのが面白かったです。
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by flauto_sloan | 2007-11-03 10:16 | Guest Speakers
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