MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
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Ig Nobel Prize Ceremony
c0131701_12475229.jpg木曜の夜、Harvard Univ. のSandars Theatre にて、"Ig Nobel Prize" の授賞式があり、面白そうなので参加してきました。
Ig Nobel Prizeとは、ノーベル賞のパロディで、「人々を笑わせ、そして考えさせる」研究に対して贈られる賞です。毎年Harvardで授賞式があり、ある一つのテーマをもとに様々なイベント(というかネタ)が披露されます。今年のテーマは "chicken"でした。
満員の中で厳か(?)に始まった式典では、まず本物のノーベル賞学者が列をなして入ってきました。中でもノーベル物理学賞を2005年に受賞した、ハーバードのロイ・グライバー博士は、編み笠に竹箒を持って入場してきました。イグ・ノーベルでは受賞者の講演中に紙飛行機を舞台に向けて飛ばす習慣があり、彼は毎年舞台の上を掃除する栄誉ある(??)役を担っているのです。

ハーバードの女性教授によって伝統の"Welcome, welcome speech"で式典の幕が開きました。このスピーチでは、その教授が微笑みながら、大きく手を広げ、聴衆に向かって
"Welcome, … welcome!"
とだけスピーチをして去っていきました。

続いてKeynote Speechがあり、やはりノーベル賞学者が舞台に立ち、今回のテーマである "chicken" についての講演を行いました。…"chicken" という単語だけを使って。
"Chicken, chicken, chicken..... Chicken, chickens, chicken, chiken. Chicken, chicken, chicken!" という難解なスピーチと共に、スクリーンに映し出される章立てやグラフやダイアグラムも、書かれている言葉は全て "chicken" であり、それを著名な学者が大真面目な顔で熱弁するのがこの上なく滑稽でした…

途中でミニ・オペラなども挟みながら、いよいよ受賞者の発表へ。
本物のノーベル賞に倣って、学問分野ごとに様々な賞が贈られたのですが、心に残ったものを紹介します。

イグ・ノーベル化学賞
日本人が受賞していたその研究内容は、「牛糞からのバニラ香料の抽出」。この研究成果を讃えて、ハーバード・スクエアのアイスクリーム屋さんが、牛糞由来のバニラ香料でバニラアイスを作ってきて、ゲストのノーベル賞学者たちに振舞っていました。会場から"eat it!!"コールが沸き起こり、躊躇いながらも学者たちがアイスを舐めたところで、司会者が「明日の朝11時にこのアイス屋さんで、このアイスの試食ができます」と発表しました。さすがに町ぐるみです。
参照: Excite エキサイト : 社会ニュース

イグ・ノーベル文学賞
「書籍をABC順に並べやすくするために、定冠詞"the"を後ろに置くことについて」。"The Beatles" を "Beatles, The" とするやつです。あれについて大真面目に研究した女性が受賞スピーチをしていたところ、時間オーバーをしてしまいました。イグ・ノーベルの伝統で、時間オーバーをすると女の子が後援者の横に歩いていき、「もう終わりー」と可愛らしく言い続けます。その様子があまりに可愛らしく、会場は大爆笑でした。

イグ・ノーベル平和賞
これは物凄かったです。「『Gay Bomb』の研究について」と題した、イリノイの軍事大学の研究内容は、同性に対して性的に興奮する薬を詰めた爆弾"Gay Bomb"を投下し、敵の軍隊の戦意をなくして無力化するというものでした… どこまで本気なのでしょうか……

他にも多くの、「なんでこんな研究をしてるの??」と思えるような内容が続々と。大いに笑ってしまいました。

他にも24/7 speechというセッションでは、色々な分野の学者が登場し、24秒間で学術用語ばかりを使って研究内容を紹介し、その後7 wordsでそれを誰にでも分かるように要約する、というスピーチをしていました。ある歴史学者は「歴史学とは」について24秒間、超早口で難解な説明をした後(単語が難しすぎて全然聞き取れませんでした)に、"History is a study of dead people!" と換言し、大喝采を浴びてました。

c0131701_12482254.jpgそして最後は再び女性教授が現れ、
"Goodbye, …… Gooodbye!"
とのGoodbye, goodbye speechで幕を下ろしました。

土曜にはMITで、イグ・ノーベル賞受賞者による講演会があり、そこでは一体全体どうしてこんな研究を思いついたのか、何がすごいのか、等について語るそうです。
人類の英知の幅広さと奥深さを、笑いながらも考えさせられた(??)一夜でした。

ちなみにこの賞を僕が知ったきっかけですが、大学院生の頃、競合研究室の有名な実験成果がこの賞を受賞し、有名(?)になったことで興味を持ちました。今思うと、私の研究もどちらかと言えば「なんでこんなことを真面目にやってるの?」というものだったのかも知れません…
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by flauto_sloan | 2007-10-07 12:46 | ボストンでの生活
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