MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
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Israel Trek (9/9) - ユダヤ人
10日間をイスラエルで過ごし、ユダヤ人のルームメイトと色々に話して、ユダヤ人について、ある一面かもしれないが知ることができた。この経験だけでユダヤ人論を書くほど浅はかではないが、いくつか気づいた点を書き残しておく。
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ユダヤ教と科学
ルームメイトのマイクはMITで学部も出たエンジニアである。同時に、神を信じ、ユダヤ教の613の戒律に従って生きるユダヤ教徒である(正統派ではないが)。彼に「科学を学んでいると、ユダヤ教の世界観と矛盾することもあるだろう。どうやってその矛盾に折り合いをつけているのか」と聞いた。彼の答はこうだった。
「科学が解明し、役立とうとしているのは、『物質的世界』だ。この中で科学は体系を持ち、調和をとっている。一方、ユダヤ教が唱え、僕がいつも従っているのは、『精神的世界』といえるものだ。この世界の中ではユダヤ教が秩序を与えている。
この二つの世界を意図的に自分の中に並存させている。敢えて矛盾させようとはせず、それぞれ別のものと割り切って考えている」
また、シャバトと呼ばれる安息日(金曜から土曜にかけて)には、ユダヤ人によるビジネスはお休みである。あらゆる労働をしてはならないからだ。エレベーターのボタンを押すことも禁じられているので、ホテルだとシャバト・エレベーターという各階止まりが存在する。それを見た私は、またも不躾な質問をした。「戒律も時代に合わなくなったものや、非効率しか与えないものがあるだろう。新しい戒律を加えたり、変えようとはしないのか」という問への答はこうだった。
「もともと戒律は時代に合わせて追加していった。だから613もの多さになったんだ。今はもうこの数で固定していて、確かに中にはもう時代に合わないものがあるかもしれない。だが戒律は戒律だから、それを守った上でできるだけ時代に合わせていくしかない。このシャバト・エレベーターなんて、まさに時代に合わせたいい例だよ。
それに、細菌が見つかる何百年も前から、『食事の前には手を洗わねばならない』という戒律があった。皆ただ従っていただけだったけれども、それが実は意味のあることだと後にわかった。何が意味があるかなんて、なかなかわかりはしないものさ。」
莉恵さんのブログにもあり、私も興味を持っていた質問、「なぜユダヤ人はハイテクや教育分野で活躍しているのか」については、やはり同じ答えだった。
「結局誰にも奪えないのが、頭の中と心の中だけなのさ。僕の育ったベラルーシでも、ナチスによって強制移住させられ、無人となった村が近くにあった。あれは本当に恐ろしかった。どんな状況でも、最後まで持っていけ、信じられるのは自分しかない。だから知識や技術と、それを学ぶための教育に力を入れるしかない。
それにユダヤ人は欧米だとどうしても差別され、主要な職業には就けなかった。だから知的産業でも科学技術や学問といった実力勝負の世界か、傍流の仕事を選んでいくのは自然だった。投資銀行なんてもともと、主流の商業銀行に入れなかったユダヤ人が始めた、傍流の仕事だよ」
他にも色々と話したのだが、お互いに純粋な好奇心からの質問だったので、非常に面白かった。マイクが特に頭がよく物知りだったこともあり、ユダヤ人をより深く知った結果、かなりの親しみを持つようになった。

連日連夜のパーティー
イスラエル・トレック中に驚いたユダヤ人のもう一つの顔は、パーティー好きの顔だ。旅行中はほぼ毎晩クラブへ出かけ、飲み、踊る。私はもともとクラブがどうしても苦手なので、途中で帰ってきてしまったのだが、あのエネルギーはすごい。聞けばテルアビブはクラブが数多くあり、イスラエル人は高校生くらいからクラブ通いを始めるらしい(サンプルが偏った可能性高し)。
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最後の夜は、クラブではなくオーガーナザーのアミットのセカンドハウスでパーティーを行った。海に面した美しい別荘でのバーベキュー・パーティーだ。ホロコーストを生き延びたおばあさん、中東戦争を生き延びた父親を持つ彼の家は、生と死とが近く、それゆえに生きるための力を小さいうちから教え込んだそうだ。父親は空軍退役後にベンチャーキャピタルを興し成功し、いまこうして46人の息子の同級生を別荘に迎えて、イスラエルを最後まで楽しんでもらおうとしている。
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ここで生まれた友情や相互理解が、悲惨な経験をまだ知らない次世代のイスラエル人の原動力となるのだろう。

多様な自然、起業家精神旺盛な経済、強固な軍事力、そして全てを貫く宗教と歴史。10日間と短い間ではあったが、この上なく濃密で学びの多いイスラエル・トレックだった。
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by flauto_sloan | 2009-03-27 23:44 | Japan/Israel Trek
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