MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
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サロー教授の最後の授業
c0131701_538386.jpg先日紹介した、レスター・サロー教授の最終講義があった。生徒は誰も今日がこの大経済学者の最後の授業だとは知らかった。
サロー教授がいつも以上にお洒落なスーツに身を飾り、りごぼん教授など何人かのファカルティが授業を見に来たので、何だろうとは思っていたが、まさか今日を以って教鞭を下ろすとは、驚きだった。

その最後の授業は、アメリカの経済についてだった。一問一答だったのでまとまりはなかったのだが、全体のメッセージとしては、以下のようなものだった。
アメリカが豊かな国であるのはGDP per Capitaの予測を見ても当面変わらないが、経済成長は労働ではなく技術進歩に頼らなくてはいけない。今回の不況も、構造的な変化というよりも、コモディティ価格が下がったことに起因する景気循環であろう。
最終授業によくある、教授から学生へのメッセージがあるかと思えば、授業は30分ほどであっさり終了。テストの連絡をすると、そっけなく教授は教室を去ってしまい、生徒も慌てて拍手をして見送った。

もう高齢の教授は一度大病を患ったため、言葉があまり明瞭でなくなってしまい、耳の遠さも相俟って、なかなか授業は難しそうであった。それでも最後まで気焔を吐いていた意志は素晴らしい。彼の議論は納得いかないものも多かったし、かつての切れ味はなかったとしても*、非常に刺激的だった。

去り際も、飾った言葉が似合わない彼らしい、背中で語るものだった。
MITスローンの一時代の終わりであった。


* 噂だが、彼がスローンの学部長だった頃、GMの将来がないことを見通したサロー教授は、学校の名前からスローン(GM創業者 Alfred P. Sloan)の名を外そうとしたことがあったそうだ。法的制約など諸般の事情で断念したそうだが、今にしてみれば慧眼であった
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by flauto_sloan | 2009-03-10 05:06 | MITでの学び(MBA)
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