MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
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Forbes教授、ホワイトハウスで奮闘す
c0131701_5285478.jpg今学期で一番面白い授業、"Global Economic Challenges" を教えるクリスティン・フォーブズ教授が、CEA (Council of Economic Advisers)の最年少メンバーとして、ホワイトハウスにいた頃のことを話す特別セッションを行ってくれた。


CEAがどのように機能しているのか、そして大統領や政府首脳にどうブリーフィングを行うのか、そしてブッシュやチェイニーの反応はどうだったか、などのアメリカの舞台裏を、非常に明快な語り口で、ユーモアを交えながら覗かせてくれるとあって、教室から溢れんばかりの大人気だ。
いくつか興味深かった発言を書き留めておく。
「ブッシュ大統領は、頭がいいナイスガイで、問題点をよく理解している。でもカメラの前では硬直してしまうせいで、実際とは異なる、誤ったイメージが描かれてしまった。
彼はいつでも、米国のために何が正しいかを考え、よく働いていたわ。でもポリティカル・アニマルでは決してなかったし、確かに彼自身テキサスでバイクを磨いている方が、大統領の仕事より好きだったと思う」

「チェイニーはとても頭が切れて、口数は少ないけれども、何か喋る時はいつも鋭い質問だった。コンディ・ライスは驚くほど頭が良くて、チャーミングで、人の緊張を解いてしまう才能があった。そして彼女の発言は、データや正しい現状理解に基づいていて、非常に濃い内容だった」

「大統領の諮問機関は複数あるけれども、それぞれが分析を基に提言をし、意思決定は当事者のいる場で最終検討をして決められる。ただオバマ政権では取りまとめ役のNSCにサマーズがいて、CEA議長が押しの強くないローマーなので、うまくバランスが取れるか心配」

「経済面でブッシュ政権の失敗は、鉄鋼に関税をかけたこと。ブッシュ大統領は自由貿易主義者だったのに、逆のメッセージを送ることになってしまった。議会をなだめることに必死で、どんな反発がくるかを過小評価していたのでしょう。
安全保障やイラク政策は、経済学者としては正しかったとはいえないけれども、ホワイトハウスで議論を尽くすと、経済学的に誤っていても正しい判断かもしれない、と最後は納得した。ホワイトハウスは経済的正しさと政治的実行可能性を、常に考えないといけないから、それでいいのです」
先日のバーンズ教授の講義でも感じたが、ブッシュ政権は評価されてもいい政策をしており、メディアによって悪い方にばかりイメージを歪められているのかも知れない。イラク戦争の決断も、当時のブッシュが置かれた状況と情報の中で、本当に誤った決断だったのだろうか。ブッシュ政権が無能の代名詞になったために、ブッシュのせいでないものも彼らの失策になっているのではないか(ちょうど今の麻生政権のように)。

彼らがブッシュ政権にいたことを差し引いても、あの8年間を正しく再評価する必要はあるだろう。世界最高レベルの優秀なスタッフと妥当な組織を以ってしても、リーダーの能力で国家が危機になるのであれば、これは組織論上の重要なケーススタディになるだろう。


不思議と、この2年間で日本の自民党と米国の共和党への支持が、自分の中で高まった(元が低かったというのもあるが)。それこそ友人や教授など特定個人への私のロイヤルティーの所為かもしれないが、多様な価値観や意見の幅を常に考えることで、メディア等による偏向を取り除いて考えることができるようになってきたのかもしれない。
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by flauto_sloan | 2009-03-04 04:45 | MITでの学び(MBA)
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