MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
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P&G McDonald COO - 実行するリーダー
c0131701_4335742.jpgMIT Sloanの Dean's Innovative Leader Seriesにて、P&GのMcDonald COOが講演を行った。
ウェストポイントから陸軍へ進んだ軍人出身であるマクドナルド氏は、組織の中でリーダーとなるには、信念(belief)を共有し、それを行動に落とし込むことが重要であると言う。
信念を率先して磨き、共有することで、リーダーの行動は部下にとって予測可能となり、それが信頼を生むという。

そのマクドナルド氏自身が共有する10の信念とは、以下のものであった。
  • 高い目的に向かい続ける人生にこそ、価値がある
    ・・・とりわけ崇高な目的は、人々の生活をよりよくすることであり、それこそがP&Gの掲げる目的である
  • 誰しもが成功を望み、成功は伝播する
    ・・・失敗したい人はいない。皆が成功しようとすると、それが勝ち馬になる
  • 適材を適所に置くことが、リーダーにとって最も重要な仕事である
    ・・・正しい場所に身を置かれると、人々はそれを好むようになる
  • キャラクター(人格、性格)がリーダーの最も重要な要素である
    ・・・リーダーは、個人的な責任・関心に先んじて、組織が結果を出すことに注力しなければならない。ウェストポイントの校訓は "Choose the harder right instead of the easier wrong" であり、ここに理がある
  • 多様な人々でグループを作れば、同質なグループよりもイノベーティブになる
    ・・・変化は連続線上にないものが、突然結びつくことによって生じる
  • 役に立たない戦略、仕組み、文化が、人々の能力よりも組織の失敗に大きく寄与する
    ・・・日本の品質管理の父、デミング博士の名言は正しい
  • 組織の中には、一緒の旅を続けられない者が必ずいる
    ・・・全員がこの会社に向いているわけではない。もし向いていないならば、別の旅を探すべきだ
  • 組織は自ら新陳代謝せねばならない
    ・・・会社の半減期は短くなっており、新たな環境へ適応していかねば、生き残れない。リーダーはそのための覚悟をさせ、変化へと導くのだ
  • 採用は最優先事項だ
    ・・・不確実な時代では、学ぶ能力が最も重要だ。常に新しいことを学ぶように心がけよ
  • リーダーとしての能力が本当に測られるのは、リーダーがいない時、または去った後にも、組織が機能するかどうかだ
    ・・・個人に頼る組織にしてはならず、組織が持つ力自体を育まねばならない


全体として、軍人出身のCOOらしく、非常にexecutional/operational なリーダーシップ論であった。一部ハイフェッツ教授の言う "adaptive challenge (組織が新たな環境に適応するための課題)" に触れるものもあるが、多くはdistributed leadership における "Inventing (ビジョンを実行するための方策を考え出す能力)" であり、その能力を磨くための洞察深い指針を与えてくれた。

ただ不確実な時代で、どこまで部下に予測可能性を与えられるのか。結局、価値観や行動の判断指針といったハイレベルな「信念」を共有することが重要であり、またそれ以上の詳細な共有は、無意味な衝突なしには難しい。信念をどう実行に落とし込むかについては、リーダーが範を示しながら、センゲのいう学習する組織へと作り変えていくしかないのだろう。

昨年秋から集中的に学んできたリーダーシップについて、もう一度考えてみるいい機会となった。
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by flauto_sloan | 2009-03-03 21:39 | Guest Speakers
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