MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
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レスター・サロー大いに吼える
2代前のMITスローンの学長、レスター・サロー教授の「経済・政治に関る課題」という授業を聴講している。現代のアメリカおよび世界が抱える諸問題を、経済学の観点で議論する授業だが、教授があまりに傲岸不遜なので面白い。

サロー教授といえば『資本主義の未来』『知識資本主義』などを著したり、ジョンソン大統領の経済諮問委員会のメンバーだったりと、世界的に著名な経済学者である。そんな彼の発言は、経済学者一流の理性的思考故か、個人的性向か、高齢ゆえの頑固さか、非常に傲岸に聞こえて面白い。

ちょうど昨年一度聴きに行った、ケネディスクールのサマーズ教授(現米国家経済会議委員長)のグローバリゼーションの授業と内容も似ていて、傲慢な経済学者であるところも似ている。世間一般で言われているような尤もらしい意見とは対極の視点が聞けるのが非常に面白く刺激される。

先日は気候変動がテーマだったのだが、教授の数々の過激な論旨に、サステナビリティへの関心の高い生徒が授業中に激高していった。例えば次のような発言が物議をかもした。
「アル・ゴアは経済学者ではない。経済学者ならあんな本は恥ずかしくてとても書けない。彼は唯一のノーベル賞とオスカー賞のダブル受賞者だが、ノーベル賞は当然経済学賞じゃないし、むしろオスカーの方が、彼がお伽噺の語り手だということをよくわかって選んでいるんじゃないか」
「今手を打たないと50年後に大問題が起こるというが、50年後の被害は現在価値に直すとゼロだ。そんなもののために金を使うわけにはいかない!!」
「直近の地球の平均気温は予測よりも寧ろ低下している。しかもボストンに至っては寒冷化が進んでいる! 少しくらい暖かくなった方がいいだろう!」
「海水面が上昇したからどうだっていうんだ。モルジブは沈むが、他にもいいダイビングスポットは世界中にいくらでもある。ケープコッドも沈むが、暖かくなったカナダはいい移住先だぞ」
「温暖化でマラリアが北上するというが、別に不治の病ではないのに、なぜそんな大騒ぎをするのだ。むしろ農作物の収穫量が増えると見られており、便益も十分大きいのではないか」
勿論ここで挙げたような説には異論があることも重々承知での発言なのだが、こう一貫して通説となりつつある論と逆の論陣が張られると、自分の考え方を相対化できて、視点が広がる。

直前のフォーブズ教授の授業とは全く趣が異なり、補完しあうので楽しんでいる。


(参考) 教授の少し前の講演の様子
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by flauto_sloan | 2009-02-17 09:09 | MITでの学び(MBA)
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