MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
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BSO/Masur - メンデルスゾーンの夜
クルト・マズアを迎えたBSOの演奏会は、生誕200年のメンデルスゾーンを讃える、「オール・メンデルスゾーン・プログラム」だった。

メンデルスゾーンは私が最も好きな作曲家の一人だ。精神性や深みがないと評されることもあるが、それがまたいい。純粋に美しく楽しいのが彼の音楽であり、演奏しても聴いても爽やかな愉しさを感じる。

私が中学生の時、ブラスバンドで彼作曲の「吹奏楽のための序曲」を演奏した。当時の私にはなかなか難曲で、相当に練習しているうちに、その良さがだんだんとわかってきた。そしてこれがメンデルスゾーン弱冠15歳の時の曲だとしり、同年代だった私は天才に驚愕した。その後オーケストラで彼の交響曲も演奏したが、やはり彼の音楽に魅了され続けた。

本日のプログラムは、『フィンガルの洞窟』に始まり、交響曲第3番『スコットランド』、交響曲第4番『イタリア』と続く。ここまで来たら第5番『宗教改革』までやって欲しかったが、まあ仕方ない。

メンデルスゾーンの音楽は、怒鳴ったり叫んだりといったドラマチックな要素は不要で、美しさを美しいがままに表現するのがいい。マズアはまさにそんな美しいメンデルスゾーンを描き、フォルテシモは音を割らないよう抑制され、管楽器の絡みは音が戯れるように見事に掛け合い、繊細に美しく風景を描いていく。まるでターナーの風景画を見ているかのようだった(奇しくも彼は『フィンガルの洞窟』と題した絵も描いている)。

スコットランドの古城の寂しさや、ケルトの勝利の歌の喜びが伝わってくる。またイタリアの日差しも夕暮れの寂しさも、恋人たちの囁きも雷雨の恐ろしさも、目の前に情景が浮かぶかのようだった。管楽器がホルンを初め好調だったのもよかった。

派手さや聴衆への積極的な問いかけがなかったため、会場の評価は分かれていたが、私はとても楽しめた演奏会だった。
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by flauto_sloan | 2009-01-22 10:52 | 音楽・芸術
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