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MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
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些細なこと
ハイフェッツ教授のクラスの休憩時間、チームメイトのカレンと話していたところ、秋学期のチームメイトのノールがやってきた。私とカレンが同じチームと知ると、ノールがカレンに
"He is smart."
と微笑みながら話しかけ、カレンが
"Yes, he is."
と応えていた。

ほんの2,3秒の些細な事なのだが、妙に嬉しかった。


渡米して以来、なかなか自分に自信が持てなかった。
慣れない英語での議論には苦戦し、発言しても表現が稚拙で浅慮に聞こえてしまう。
このブログで色々と思索はするものの、日本語でないとうまく伝えられない。
コアタームのように定量系の授業であれば、チームミーティングをリードできるが、所詮分析家としか見られず、頭が悪いとは思われなかったろうが、「デキる」ともなかなか評価されない。

先学期のハイフェッツ教授のリーダーシップのクラスなど、数字が全く出てこない、私にとって最も活躍しにくい授業であった。だがチームミーティングで、言葉少なであっても、深慮しチームに貢献する発言を繰り返していくと、チームの中での評価が高まり、だんだんと余裕が出てきた。またクラスで友人たちがどう発言するのか、どんなクオリティの発言なのかを見て聞いているうちに、徐々に感覚を掴めて来た。そして今回は、始めからチームで議論に貢献できるようになった。


議論が楽しいと思えるようになってきたこのタイミングでの、私をよく知る友人の賞賛だ。嬉しくないわけがない。特にこの二人は、ハーバードのこのクラスの中でもかなり賢く頭がいい。"smart"という言葉で認められ、やっと一人前になったような気がした。

ほんの些細な事だが、自慢したいのではなく、残り半年にして漸くスタート地点に立てた、という喜びに溢れた瞬間だった。
(尤も、未だに "smart" という他者の評価で自己規定をしようとする弱さの表れでもあるのだが)
by flauto_sloan | 2009-01-07 20:57 | Harvardでの学び
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