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MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
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Sloan Talent Show - 音楽を学ぶ
昨年に引き続き、秋学期最後のイベント、"Sloan Talent Show" に参加した。今回は中国系アメリカ人の2年生(チェロ)、韓国人の1年生(ヴァイオリン)と日中韓トリオを組み、C.P.E.Bachのトリオソナタを演奏した。

ヴァイオリンの韓国人マリーは、ジュリアードを卒業し、プロ活動を経て今はNew England ConservatoryとMIT Sloanを掛け持っている、本格的なヴァイオリニストだ。こんな芸術家がいるからこそ、ビジネススクールも面白い。

チェロの中国系アメリカ人チェスターはMIT卒で、ボストンのユース・オーケストラやMIT Symphony Orchestraにも所属していた実力派。

そんな凄い二人と競演できたのは非常に幸運だったが、残念ながら今年の会場は学校近くのバー。飲みながら聴けるように、とのことだが、とにかく音響が悪くて暑くてうるさい。ヴァイオリンの音がなかなか聴こえず、ピッチやタイミングがうまく取れなくて苦労した。昨年のようにMITのホールで演奏したかったものだ・・・

その演奏をShintaroが録画してくれたので、恥ずかしいがリンクしておく(残念ながら会場の騒がしく、聴き取り難くなっている)

演奏はまあ色々ハプニングがあったのだが、練習の過程で二人、特にマリーから非常に多くを学んだ。フルートのレッスンをやめてもう10年ほど経ち、かなり我流になってしまった。また古学奏法をするオーケストラに長くいたため、表現も気づかないうちに幅が狭くなってしまっていた。

マリーはヴァイオリンの先生もしているだけあって、細かい表現や曲の解釈を教えてくれる。久々にレッスンに行っている気分だ。自分の表現力の浅さ、アンサンブル能力の鈍りを痛感する。だが上手くいかなくて萎縮してしまうと、二人でモチベートしてくれる。お陰で楽しく演奏ができた。

また、彼女のヴァイオリンが入ってくる瞬間の緊迫感は流石で、ここまで刺激されたのは初めてだった。乗せられて、自分なりに返答する。この音を通じた対話がアンサンブルの醍醐味であり、フルートを20年続けることとなった原点だ。その楽しさを高いレベルで思い出せたのが非常に嬉しい。

この徹底したこだわりと、可能性を引き出そうとするモチベーションとは、先日のBen Zanderの講演に通じる、アメリカ流音楽教育の基本要素なのだろう。

本番はともかくも、参加することに意味があったショーだった。
by flauto_sloan | 2008-12-10 22:30 | 音楽・芸術
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