MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
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BSO/小澤 - Welcome back to Boston!
ボストンに小澤征爾が帰ってきた。BSOを1973年から30年間指揮し、ミュンシュ以降ややぱっとしなかったBSOを再び世界水準に引き上げた小澤が、6年ぶりにBSOを振るとあって、シーズン前から評判だった。小澤らしい正統的な解釈であったが、団員との信頼から引き出された表現は流石に素晴らしかった。

この日は開演に先立って、日本人向けのレセプションがあった。私はテキサスからコンサートに駆けつけるのがやっとで参加できなかったが、サプライズで小澤本人が登場したらしい。ううむ、無理してでも行けばよかった。

メシアンとオンド・マルトノ
c0131701_22485556.jpg一曲目はメシアンの『聖なる三位一体の神秘についての瞑想』であり、電子楽器オンド・マルトノが使用された(写真はSYさん提供)

オンド・マルトノは日本人第一人者の原田節。この楽器を一度生で聴いてみたいと思ってたのだが、それを小澤と原田で聴けるとは何たる幸運。座席は最前列から二番目で、小澤も原田も表情までよくわかる。

曲はあまりよく分からなかった。神秘主義だったのだろうが、オンド・マルトノのスピーカーが目の前だったためにバランスが悪く、管の細かい表現が聴こえてこなかったのが残念。この電子楽器の面白さを体感したに留まる。

幻想交響曲
c0131701_22544975.jpg続くメインの幻想交響曲は、小澤の良さがよく表れた名演だった。一つ一つの表情が丁寧に作りこまれているだけではなく、BSOの団員一人ひとりが、小澤を信頼しており、それ故の開放的で表情豊かな響きが生まれていた。

小澤は年齢や病気による衰えを感じさせない、緊張感あり情熱溢れるタクトでオケをぐいぐい引っ張る。『舞踏会』では華やか(だがどこか懐かしい)な、彩り溢れる舞踏会を表現し、逆に『断頭台への行進』では、重い足取りで死への最後の抵抗と、周囲の狂気じみた喝采を対比させる。最後のサバトと怒りの日は、会場を巻き込む熱演だった。

妻にしてみれば実は初めてのBSOで、オーボエの若尾さんを見たかったのだが舞台上にいない。残念に思っていたのだが、何と3楽章の牧童の角笛の掛け合いの為に舞台袖にいた。最後のコールで登場して、妻も大満足。


それにしても、会場の4割くらいが日本人ではないかと思うほどの日本人主導の盛況ぶり。だが日本人以外も小澤の帰還を温かく迎えていた。いい演奏会だった。


おまけ
以前会社のトレーニングでオーストリアに行った時、オケ仲間でもあった同期と、トレーニング後にウィーンに遊びに行った。夜に小澤が音楽監督をしているウィーン国立歌劇場(ウィーン・フィルの母体)のフィガロを聴きに行った。隣にいた生粋のウィーンっ子のお婆さんと、片言のドイツ語で会話していたところ、お婆さんが
ザイー・オツァヴァはとてもいいわね」
と言ってきた。何のことか全く分からなかったのだが、しばらくして、"Seiji Ozawa"のドイツ語読みだとわかった

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by flauto_sloan | 2008-11-30 23:57 | 音楽・芸術
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