MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
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セブン・イレブン - 世界から日本、そして世界へ
セブン・イレブン米国法人のCEOのDelPinto氏、COOの朝倉氏がジャパン・クラブの招きで講演を行った。詳細は企画者であるShintaroのブログに載っているが、非常に面白い内容だった。大盛況だったが、中でもJapan Trekに参加した友人たちが、日本でのセブン・イレブンの経験から興味を持って参加してくれていたのが嬉しい。

講演会後、お二人と昼食を共にする機会があり、日本人数人で朝倉氏を囲んだ。アメリカで成功したビジネスモデルを日本で進化させ、アメリカに再輸出したのがセブン・イレブンなのだが(日本法人はフランチャイジーでありながら親会社となっている)、「日本流」を如何にアメリカに落とし込むのかのお話が非常に面白かった。

食生活が違えば、食に対する価値観も異なる。働き方が違えば、職業観も異なる。より良い価値観を受け入れられるように顧客を教育していかねばならず、そのために従業員がまずセブン・イレブンのコンセプトを理解しなければならない。特に二つの話が心に残った。

一つは食品の鮮度の教育。日本ではもはや当たり前だが、セブンイレブン米国でも鮮度を維持するために、作った日のうちに生鮮食品を廃棄することにした。品質期限表示はその当日になるのだが、アメリカ人にとって一見それは「非常に古い」と映ってしまう。アメリカの食品は保存期間が長いので、人々は日付ができるだけ先の商品を選ぶ、という購買行動をとるからだ。

そのため、如何にセブンイレブンの商品が新鮮か、そして日付が当日なことがそれを証明している、と顧客を教育し、買ってもらい、納得してもらわねばならなかった。だがようやく認知が進み、信用が生まれてきているとのことだ。

もう一つは現場の従業員への権限委譲。日本のセブンイレブンでは商品の発注は各店舗の従業員が行っており、地元の微妙な事情の違いが反映されるようにしている。だがアメリカでは本社が販売数量を中央管理していた。アメリカにおいて現場の従業員であるレジ打ち係は、スキルが必要な職だとは見做されておらず、階層社会の中であまり高く見られてはいない。そのため現場への信頼はあまり大きくなく、重要な判断をさせることは稀だ。

だがセブンイレブンで実際に現場に判断をさせていくと、効果が着実に現れ、米国の幹部も納得していった。勿論ITを利用して補助をし、トレーニングもしっかり行っている。

文化の違い、習慣の違いはすぐに埋まらないが、善い価値は必ず浸透し得る。だが過程を慎重に設計することが肝要だ。顧客や従業員が価値を認識し、理解し、行動を取って、その価値を実感してさらに深く認識するプロセスを造りこまねばならない。そこは信念とオペレーションがものをいう。当たり前のことをしっかりと行えば、日米の差をも越えるのだ、とお話を伺いながら思った。

日本のサムライの強さを見た会食だった。
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by flauto_sloan | 2008-11-20 22:51 | Guest Speakers
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