MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
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好奇心の塊
MITの友人に紹介され、今日は非常に面白い人と知り合えた。KGCというNGOの創立者の柴田さんという方だ。世界の全てを知りたいという、人間の究極の欲求をまっすぐに追い続けている人で、知識といい交友関係といい、スケール大きい人物だった。こういう人と日本では知り合えないのに、ボストンでは出会えるのが不思議だ。

非常識な研究
この日経BPの記事が紹介しているように、KGCは非常識な研究を支援している団体だ。気功や場 (場が読めない、場の雰囲気という時の場) など、現在の科学では未解明の問題をテーマに様々な分野の研究者を集め、議論を通じて理解を進めると共に、興味を持ってくれるスポンサーを引き込んで資金援助をする。

ルネッサンス期に自らパトロンとはならずに、パトロンと芸術家を引き合わせ、文化を花開かせる役目を果たしたロレンツォ・デ・メディチをモデルにしていると言う。いまや日本内外の多くの企業(大企業から中小企業まで)や政府をスポンサーにもち、参加する研究者の規模も増えてきたそうだ。


正直言って、最初は「気功」と聞いてやや胡散臭いものを感じていた。研究室時代は強磁場の研究をしていたのだが、応用物理学会で「気功が電磁場かどうか」、といった研究があったのを見て以来、なんと変な研究をする人がいるのかと思ったものだ。私のような多くの研究者に異端視され、「非常識な研究者」達は同志や資金に苦しんでいた。

だがKGCは、既存の常識、学問体系を根底から覆すものがあるとしたら、こうした非常識な研究ではないか、と考える。今見えていない、理解できていない現実を知識として把握できれば、より完全な世界の認識ができるはずだからだ。そう聞くと、なるほど少なくとも異端であることそれ自体は、否定する理由足りえない、と思うようになった。


社会の表と裏
学問分野で世界の表と裏を探求しようとしているのと同時に、柴田さんの好奇心は社会の表と裏にも向けられている。「表」の社会である政治や経済への理解・造詣が深いのは勿論のこと、「裏」の社会である秘密結社等にも詳しく、独特のネットワークを持っている。私も「裏」の社会には個人的に興味を持っていたため、非常に話が盛り上がる。

裏社会の構成要素をどう区分するのか皆目見当もつかないが、ここは犯罪者や暴力団など裏の社会が裏の経済への影響に閉じている地価経済団体と、特定の個人・団体の目的のために表の社会の意思決定に影響力を及ぼす秘密結社と大別してみる。

地下経済の経済規模は様々に言われているが、多く見積もった説にはGDP比4-5%と看過できない規模であるとも言う。その真偽を含めて、経済の表と裏がどれ位の規模でどう係わり合っていいるのかを知ろうとするのは、社会全体を知る上で必要なのかも知れない。無論、現実を知ろうとすることと是非善悪を認めることとは全く異なる。

秘密結社が実際にどのように動いているのかは、トートロジーだが秘密なので知りえない。だが言うなればコンサルティング・ファームも、メディアや表にでることなく全世界の主要企業の意思決定に関わっている、秘密結社のようなものかも知れない。他にも大富豪の私家財団も家の維持のために政治・経済に影響力を及ぼしているという噂だが、その実態は謎だ(あまり書くと色々と問題がありそうなのでこのあたりにしておく)


人間の表と裏
私のファームの大御所がかつて、
「人間ってのは、予想もつかないような一面が垣間見えたときに、面白い人間だと思われるんだよ。単純に割り切れるような考え方を持ったり、何を言うか予想できたりするコンサルタントほど詰まらない人間はいない」
旨のことを言っていた。まったく同感だ。周りの友人を見ていても、全く意外な一面を垣間見たときに人間の奥深さを感じるし、逆もまた然り。

ではどうやって奥深い人間が生まれてくるかと言えば、幅広い知識と思慮深さにあり、その根本は知的好奇心にあると思う。研究者と話していて面白いのは、この好奇心が際限なく拡大してしまった人たちが多いからだ。だからボストン日本人研究者交流会の幹事までやって、私自身の好奇心を研究者の好奇心と共鳴させて愉しんでいる。


柴田さんという無限の好奇心を持った人物と話して、非常に共感するところがあった。ビールを飲みながら2時間ほど話しただけで、意気投合してしまった。柴田さんの好奇心に育まれた人間的魅力が、KGCを育て、世界中の表や裏の要人とネットワークを広げせしめたのだろう。

いい酒を飲んだ夜だった。
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by flauto_sloan | 2008-11-12 23:27 | 交友
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