MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
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BSO - カルミナ・ブラーナの変遷
今日のBSOは『カルミナ・ブラーナ』を原曲とオルフ作曲のオーケストラ版と続けて演奏する、という意欲的な演奏会だった。

カルミナ・ブラーナの原曲は男声6部だったのだが、800年前の曲だけあって和声が今とはずいぶん異なり、面白い。そして歌詞はかなり際どい。男女の赤裸々な関係や、腐敗した聖職者への皮肉、世の中への儚みに溢れていた。時にはあまりに露骨な内容で会場が大笑いすることも。

原曲を聴いた上でオルフ版を聴くと、メロディを上手く生かしつつ、近代的オーケストレーションをしているのがよくわかる。バリトンが声量豊かで表現力に富んでいたため、聴き応えがあった。

演奏はやや大仰な表現もあったが、やはりこの曲は生演奏だといつも感動してしまう。特に最後3曲の構成は素晴らしい。ここを聴くために、いつもカルミナ・ブラーナへ足を運んでいるといっても過言ではない。

愛の苦しみや喜びを巡り逡巡した末に、『愛の誘い』の章の終曲でソプラノが愛を受け入れる "Dilcissime"。そして合唱が続いて"Ave formosissima"で美の神を讃える。Venusへの賛辞が折り重なり、圧倒されるクライマックスが一転、"O Fortuna"に戻り、世界の輪廻を表現する。

人の営みが神の世界へ昇華し、世界の構造へと連なる。なんとスケールの大きい曲なのだろうか、といつも感動する。聴き終って心に残る演奏だった。
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by flauto_sloan | 2008-11-07 23:00 | 音楽・芸術
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