MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
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チームワーク
頭で理解していても、経験してみるまで本当の価値がわからないもの、というのは至る所にある。私にとって、真のチームワークというものも実はわかっていなかったものの一つだった。

真のチームワーク
ケネディスクールでのリーダーシップの授業では、7人のチームを作り、お互いのリーダーシップの失敗経験を語り合い、その失敗が何故起きたのか、どうしたらよかったのかを分析し議論する。そのための様々なコンセプトや手段を授業で教わり、それを実際に適用してみる実験の場でもある。

このチームは人種、性別、出身大陸、教育、職業は様々だ。お互いを知っていくうちに、衝突や感情的な葛藤も生じてきた。だがそれを乗り越えたとき、お互いを信頼しあい尊重しあい、議論の深さと創造性が急激に増した。決してただ仲が良いだけではなく、批判や衝突は常にあり、居心地の悪い時もある。だが居心地の悪さを許容できるようになったことが、お互いの刺激を増幅し、人数以上の結果が出てくるようになった。

このチームワークを引き出すための様々な仕掛けや土壌は教授によって作られていたが、最も大きい要因はチーム自身にある。チームで満足できる結果を出し始めたときから、好循環が生まれ、どんどんと信頼と能力が増幅しているのを感じる。1足す1が2以上、というのはこのことなのか、と実感した。

これまでのチームワーク
これまで、仕事でいいチームに恵まれたことは多かった。優秀な同僚や先輩と組み、多くを学びあった。非常に上手くいったプロジェクトでは、いいチームワークだったと思えた。

チームの能力 = (増幅率)×Σ(個人の能力)

と仮に定義すると、チームメンバーの優秀さでは、ハーバードのチーム以上だったことはいくらでもあった。だが今のチームでは個人の総和がシナジーを生み、能力を大きく増幅した結果、素晴らしい効果を生み出している。

これまでの私は、増幅率はせいぜい2倍程度だろうから、非常に優秀な個人を集めた方がよいと思っていた。さらに恥をさらせば、中途半端な能力の人とチームを組むよりは、自分ひとりで仕事をした方が、よりよい成果が得られると思ったこともある(未だに授業のチームによっては思うことがある)。

だがこの増幅率は2倍などを大きく上回りうるのだと知った今、自分の不明を恥じると共に、もっとチームを盛り立てていればもっと素晴らしい結果が得られていたのに、との悔しさがこみあげる。

チームワークの必要性
また、実社会の問題は非常に複雑であり、個人が問題解決に必要な全てのスキルや知識を持つことは限りなく不可能だ。多くの仲間を巻き込み、方向付けをし、想像力を刺激する能力は、必須の能力になっている。

今学期の前半、システム・ダイナミックスの授業は二人チームだったのだが、結果的にほとんどの課題を実質自分一人で解いた。だが最後の課題を解いたとき、大きな間違いをしていた。複数の異なる頭が同じ問題を解いていれば、簡単に間違いに気づいていただろう。一人で仕事をする限界を学ぶと共に、なぜ多様性が重要なのかを、改めて学んだ。

自らの経験の振り返り
まだリーダーシップの授業は半ばであり、どうすればよいチームワークを発揮できるのかの結論を出すには早計だが、このクオリティは再現させ続けたい。頭で「1足す1を2以上に」と考えていたところで、実際に3や20や150にした経験がないと、クオリティはわからない。このチームワークについてのクオリティ・スタンダードを設定できただけでも、非常に学びが大きい。

授業やシミュレーションは、行動からすぐに結果が表れ、意味合いを考えられる。この時間の遅れがないことによる学習のフィードバックの効率化が、気づきや学びをもたらしてくれる。今までの経験を振り返ったときに、行動と学ぶべき結果の間を意識的につなぎ直すことができ、己の誤りや成功を客観的に振り返り、本来何を学ぶべきだったのかを、意識的に再認識し再学習できる。

本当に、このタイミングで留学したことは天の配剤ではないかと思う。まだまだ真摯に学ぶことは多い。
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by flauto_sloan | 2008-10-26 13:34 | Harvardでの学び
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