MIT Sloanにて、2007年から2009年までMBA遊学していた、ふらうとです。ボストンとNYでの暮らしや音楽、そして学びを書きつらねています。外資系コンサルティング会社に在籍(社費留学)。趣味はフルート演奏
by flauto_Sloan
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BPO/Zander - 音楽とは音を楽しむこと
BPOの演奏を初めて聴いた。ただしBerlin Philharmonic Orchestra ではなく、Boston Philharmonic Orchesterの方だ。

BPOとザンダー
スローンの特別授業であるSIP(Sloan Innovation Period)で、指揮者のBenjamin Zanderが講演をするので、その前に講義参加者にクラシック音楽に触れてもらうべく、チケットを格安で売っていたのだ。会場は先日のイグ・ノーベル賞授賞式と同じ、ハーバードのサンダースだった。

ザンダーは、これまでCDでも実演でもほとんど聴いたことがなかった。(ニコニコ動画の「マーラー交響曲第6番ハンマー聴き比べ」の15:37からフィルハーモニア管との演奏が入っているが、それくらいか) 曲目はバルトークの管弦楽曲、サン・サーンスのピアノ協奏曲第2番、ドボルザークの新世界だった。

演奏自体は特筆するほど素晴らしいというわけではなかった。だが多分にこれはオケとホールの所為だろう。彼の音楽作りはよく伝わってきた*

クラシックを楽しむために
この演奏会は、普段クラシックをあまり聴かない人を対象にしていたため、それぞれの曲の前にかなり丁寧な解説が入った。たとえば新世界だと、作曲の背景、楽章の構成、動機とその役割、主要なメロディーとその展開、というように、物語的な解説から曲の構成の解説までを、適宜部分演奏を加えながら説明していく。非常に分かり易い。

クラシック音楽は非常に奥深い。「ワーグナーの毒」という言葉があるが、ワーグナーでなくとも、深く知れば知るほどはまり込んでしまう中毒性がある。クラシック愛好家の「はまり具合」は、
  • BGMでかかっていると、ちょっといいなと思う
  • (のだめなどを契機に)有名曲を聴いて、クラシックも綺麗で格好いいと思う
  • 指揮者やオーケストラで聴き比べをして、演奏によって感じが違うことを楽しめるようになる
  • 曲の構成がわかるようになり、細かい表現まで聴き取り、その解釈を楽しむようになる
といった感じなのだろうが、これは発展段階ではない。曲の構成を知って格好良さが判ることもある。今回のザンダーの狙いは、一番奥深い「曲の構成」を紹介しつつ、クラシックの綺麗さ、格好良さを伝えることにあった。

クラシックの面白さを伝えるのはなかなか難しい。音楽は時間を伴うため、時間の投資が必要となる。興味がないとその時間は苦痛でしかないだろう。だがそう言っていたら、先天的に音楽が好きでない限り、音楽愛好家は増えない。何とかレベル1→2のエントリーバリヤーを下げ、さらに2→3→4と進めるために奥深さを簡単に効率よく教えないといけない。

ザンダーのアプローチは、授業を行いチケットを廉価で売ることで1→2の機会を作り、演奏会でその先に進めようとしていた。周りの友人を見ていて、結構効果があったように思える。なかなか参考になった。

* なお、サン・サーンスのソリストはなんと13歳だった。技術は大したもので、緩序楽章を歌う音楽性は流石にまだまだだったが、なかなか今後が期待できる。尤も、だからこそ緩序楽章のないサン・サーンスの協奏曲を選んだのだろうが
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by flauto_sloan | 2008-10-16 09:45 | 音楽・芸術
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